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仮面の剣士の休日
ここは戦艦ハルバードの一室、メタナイトの部屋だ。今は夜、他の乗組員は寝ているのにメタナイトは起きて考え事をしていた。理由は簡単。明日は数少ない休暇の日だからだ。
(うむ…どうしようか…新しくできた所でもいいが毎回通っているあそこも捨てがたい…しかし両方行くには時間が足りない…)
彼が何を迷っているのか、それは彼の休暇の密かな楽しみ、美味しいスイーツが食べられるお店巡りで、明日はどこのお店に行こうかを迷っていたのだ。
(そういえばあの店、前回行った時にもうすぐ新メニューを出すと言っていたな…ならば明日行くのはいつものあの店に決まりだな)
そう決めるとメタナイトはベットに向かった。
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次の日
(では行くとするか。それにしても今日はとても天気がいいな、絶好のスイーツ日和だ)
「…だが、ハルバードをとめる場所をもう少し考えておくべきだったな…ここからあの店に行くにはあそこを通らなくてはいけないからな…」
あそこというのはこの星に住むメタナイトのライバルであり良き友でもあるカービィの家のある丘のことだ。そこを通ると十中八九カービィがいる。こんな風に天気がいい日は特に。そういえば今思えば休暇の殆どに最低1回はカービィに会っている気がしてくる。前に木陰で本を読んでいた時にも会った。その時はデデデ大王とバンダナワドルディもいた。(でもその後空飛ぶ船が墜落してきてそれどころじゃ無くなったが)
まぁそんな感じで今、彼の目の前にいるのはもちろんカービィだ。こうなるともはや『休暇になると絶対カービィに会う呪い』にでもかかっているのかと思えてくる。
「メタナイト!ひさしぶり!こんなところでどうしたの?あ、もしかしてしゅぎょう?」
「いや今日は休暇だから…」
「わかった!いつもいってるあのおみせにパフェたべにいくんでしょ!あたらしいメニューでたんだよね!いいなぁ〜ぼくもたべてみたいなぁ〜」
(『休暇だから』それしか言ってないのに私が言おうとしていた事を見事なまでに全て言い、更にさりげなく自分も食べたいアピールをしてくるとは…本当に彼の食欲は止まる事を知らない)
「お前は連れて行かないぞ」
「メタナイト!なんでぼくもつれてってほしいってわかったの!」
「顔にかいてあるからだ」
「え?だれかぼくのかおにラクガキしたの!」
「そういう意味ではない」
「どういうこと?」
「いや、いい」
これは説明すると絶対時間がかかるものだ。そうなったらスイーツを食べる時間がなくなってしまう。ならば適当に話を切り上げて早く店に向かわねば、そう思った直後。
「メタナイト!ちょっとこっちきて!」
「いや、しかし私は…」
そう言ったものの無理矢理連れていかれる。
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少し歩いてメタナイトが連れていかれたのは前述したあの木陰だった。
「じゃあメタナイトすわって!」
「あ、ああ」
仕方なく座ると隣にカービィも座る。
「よし!じゃあおひるねしよっか!」
「は?」
「だからおひるねしよって!」
「しかし私は…」
「おねがい!ぼくメタナイトとおひるねしたいの!」
(あぁ、これはもう断れないやつだ…頼む、カービィ…そんな顔でお願いしないでくれ…)
「……はぁ、仕方ない少しだけだぞ」
とうとうメタナイトは根負けし、一緒にお昼寝する事を了承する。
「わぁい!ありがとう!」
そう言ったものの、メタナイトはカービィが眠ったらすぐにスイーツを食べに行くつもりだった。だが寝ていないとバレると面倒なのでとりあえず目を閉じる。しかし、しばらくするとだんだんと意識が薄れていく。
(そういえば昨日…あの後あまり眠れなかったな…)
そしてしばらくするとメタナイトは眠ってしまった。その少し後にカービィもすぅすぅと寝息をたてて眠った。
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「!」
はっと目を覚まし、もう日が暮れかけているのを見て、メタナイトは自分が長いこと寝ていたことに気付く。隣ではカービィがすやすやと幸せそうに寝ている。大方食べ物の夢でも見ているのだろう。
スイーツは食べられなかったが、この寝顔をみてメタナイトは
(たまにはこんな休暇も悪くないな)
と思ったのだった。
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ちなみに後日
マルクとマホロアにカービィと一緒に寝ている姿を見られてイジられるメタナイトであった。
カービィのグルメフェスでメタナイトの尊厳を壊そう!\( ´▽`)
え、あ、ちょっと待ってメタナイトさん!
やめて!おもむろにギャラクシア見せてくるのやめて!うわぁぁーーー!
その後、作者の姿を見た者はいなかった…