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ウミユリ海底譚
ウミユリ海底譚いいですよね。「僕の歌を笑わないで」が好き。n-bunaさんのミクちゃんの声好き。長くなりそうなので、1と2にわけました。
「待って、」
”わかってよ”
なんでもないから僕の歌を”笑わないで”。
今から君に、言葉を綴るから、だから、この歌をどうか、聞いてください。
空中散歩のSOS。
僕は、
僕は、
僕は。
*
書いても、書いても、書いても。
書くだけ、灰に塗れていくような気がするだけだって。
心のどこか、海の底みたいな深いところでは、もうとっくにそう思って。
でも、その言葉を、飲み干した。
書いても意味ない。でも、書くことをやめない。
正直、もう、書いたってどうもにもならない。
そうやって、ただ揺らいで空を眺める僕の手を遮って。
「……言ってたくせに」
「……」
「誰かに、届く小説を書きたい、って」
夢の跡が、
君の嗚咽が、
吐き出せない、もやもやした泡沫の隅を。
「手を伸ばせば、届くよ」
真剣な顔でそうやって言葉を紡ぐ君は、光の泳ぐ空にさざめく。
「……そう、かな」
「うんっ、絶対に!」
嬉しそうに君は笑った。
その、「そうかな」の文字の奥。波の、狭間で。
「……君が遠のいていくね」
「ん?」
「なんでもない」
なんて、
*
もっと縋ってよ。弱音を吐いてよ。
前を向いて、ずっと前を、走っていて。
自分のことで精一杯になってよ。僕のことを考えないでよ。
*
『表現が曖昧すぎ』
『小説書くの向いてないんじゃ…w』
『いや、綺麗事すぎるでしょ才能なさすぎて怖i(以下省略★)』
「……ギャグ調にしやがって。知らねえよ」
*
……どす黒い気持ちを、知ってしまうから。
*
僕は、書くのに向いていない。
でも、でも。
僕の言葉を笑わないで。
綺麗事で溢れた言葉を。
海中列車に遠のいた、……涙、なんて、なんて。
「こんな気持ち、取り去ってよ」
君はどんどん前へ行っていく。夢を叶えて、言葉を届けて、誰かを救って。
このまま、行ってしまうなら。
僕に構わず、戻らないで。
なにも変わらないまま、空中散歩。
僕は、
僕は、
僕は。
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ぐへへへへへへ(( 突然の性癖暴露タイム。