運命の人

『 貴方とならいけると思った。 』 『 どこまでもいけると思った。 』 「 俺はこの先もう、くにお以外とは 手繋いだりしないよ。 」 「 うん、俺も‼ 」 心の底から そう思った。 気付いたら 今 俺は、 ＿＿＿くにおじゃない 人と キスをしてる。 くにおと はしゃいだ あの水族館を 　初めて来たって 顔して はしゃぐんだ。 あの時 お揃いで 買った キーホルダーも、 『 もうどこにしまったか覚えてないや 』 言わないよ、” まだ好きだった ”とか。 要らないよ、” 幸せだった ”とか。 未だに くにおが 好きだった 香りを 手首に つけてしまうくせに。 「 何やってんだろな、俺 」 くにおの 言葉を 思い出した。 『 運命の人って 二人いて、一人目は別れの辛さを 二人目は永遠の愛を＿＿ ＿＿教えてくれるらしいよ。 』 『 それじゃあ くにおは きっと 二人目だね。 』 だなんて 言ってた あの頃が 懐かしい。 ガタンゴトン…ガタンゴトン… 各駅停車でしか 止まらない くにおの 最寄り駅を 快速急行で 通り過ぎていく。 もう二度と あの改札を 通ることは ないだろうけど 『 幸せだった記憶だけが残ってる。 』 「 こた、一番愛してたよ。 」 言わないで、” 一番愛してた ”とか。 「 新しい人と 幸せになってね。 」 要らないの、” 幸せになってね ”とか。 未だに くにおが 好きだった ピアスを 耳で揺らして いるんだ。 「 なんでまだ、くにおのこと考えちゃうんだろ。 」 ” 外せずにいた貴方のフォロー。 ” [ 彼女とデートなう✌ ] 「 …ぁ、 」 たまたま 流れてきた ストーリー。 『 あぁ、くにおも俺じゃない誰かと幸せになったんだね。 』 言わないよ、” まだ好きだった ”とか。 「 もう言わないよ。 」 要らないね、もう幸せなんだから。 『 間違いなくくにおは俺の一人目の運命の人でした。 』 「 大好きだよ、” ゆうくん ”。 」