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雛月翠の爆誕
第一話目は分量長くなる病を患っているので長いです(?)
今日も一日が始まる。
まあ、始まってほしくないが。
|前坂柊斗《まえざかしゅうと》は少しおかしな制服に袖を通し、家を出た。
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都立翡翠ヶ丘高等学校。ここは、比較的頭が良い生徒が通っている、いわば名門校だ。柊斗もここに通っている。…ホントは通いたくなかったけど。
ここは、名前の通り、少しヘンテコな学校だ。てかなんだよ『翡翠ヶ丘』って。『ヶ丘』がつくのきっと自由が丘ぐらいだろ。
生徒達もだいたいおかしい。成績優秀なのに何かと勉強の他に頭を使いたくないからか、勉強以外の点で何かと欠けている。そんな学校だ。
だから、そんな馬鹿げた高校に入りたくなかったのに。父め、覚えてろよ。
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ホームルーム時。担任の河野から何やら話があった。
「今日は転校生を紹介したいと思いま〜す。」
転校生か。誰だろう。
「さ、入ってらっしゃい。」
「はい、なのだ!」
…なのだ?
口調からして女子だ。でもこの口調からして絶対変なやつだと柊斗はこの時点で痛感してしまった。
しかも、その予想は見事に的中していた。
ドアが横にスライドさせられたと思うと、そこから小さい女の子が登場した。
ち、ちっさ。
彼女が教卓の前に立つと、黒板にすらすらと文字を書き、
「翠の名前は、|雛月翠《ひなつきすい》と言うのだ!どうぞ、よろしゅうな〜。」
やっぱ変なやつだった。
しかし、周りからは「可愛い!」だの「ちいさ!」だの言いながら盛り上がっている。
すると、河野が手をパンッと叩き、
「はい、皆さん静かに。では、雛月さんはえっと…あ、前坂くんの隣ね。」
「は〜い!」
なんか幼稚園児に話をしてるみたいな光景だなこれ。
すると、雛月はこちらに来て、
「これからよろしくのだ。」
とはにかみながらそう言った。
「…ああ。」
嫌な予感しかしない。
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授業が終わり、皆が部活へ行き急ぐ。そんな中、俺はのんびりとした足取り、である教室の前に向かった。看板には、『理科室』という文字。入ると、静かな部屋に一つの光が差し込んでいた。
「さて、今日は何をするかな。」
ここは、柊斗が所属している『研究部』の活動場所。研究なので勿論『理科室』で活動している。
「もう4月は過ぎたし、今日も俺一人の活動、か。」
去年までは4人で活動していた。しかし、それは俺と三年生三人だけだったから、その三年生が今年で居なくなり、俺だけ、となっている。もう一ヶ月以上一人だし、孤独感もないが、
「流石にちょっとメンタルが」
来てた。
(まあでも今更入るってやつはきっといないはず_。)
そのときだった。
--- バァンッ ---
「!?」
突然ドアが開き、俺は目を見張った。
「**たのも〜っ!**」
アニメチックな声が理科室中に響いた。
「翠は、雛月翠というものだ〜!誰かいるか〜!…む?」
翠は柊斗の存在に気が付くと、きょとんとした顔で柊斗を見る。
「お前は確か…、翠の隣の前坂か!?」
「あ、ああ。そうだが、なんでお前がここに…?」
「**決まっているであろう!研究部に入部したいから、なのだ!**」
新シリーズ始まりましたねー!
これからどんな展開になっていくか楽しみに待っていただけると嬉しいです!
コメントも良ければください〜!