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部隊スペードの決闘 最終話
林沢レオ
「浅野さんの部屋はここ。行くよ」
藤浪さんが勢いよくドアを開けると、浅野が銃を構えていた。
「まるで、ここに来るのを知ってたみたいじゃないか」
「ああ、もちろんだとも藤浪。内通者がいるんでね」
「言っちゃっていいのかい?」
「ああ。死人に口無しさ」
藤浪さんと浅野のやりとりが続く。でも僕らは発砲できない。
藤浪さんに撃つなと言われているからだ。
「宮城くん、彼にその銃を見せてやれ」
僕は頷き、彼に銃を見せた。
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「そういえば宮城くん、その銃、包帯が巻かれてたよね」
行きの車内で藤浪さんがそう言った。
「巻かれてますね」
「それ多分、先代の銃だと思う」
そこで初めてこの銃の持ち主を知った。
「ねえ二人とも、これを浅野に見せれば油断するんじゃない?」
この提案をしたのは大葉さんだった。
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「それは…親父の銃じゃないか!」
「そうだ。これはお前の父親から受け継いだ。『息子を止めてくれ』と言っていた。金に執着して何がいいんだ!父親を貶して、自分が率いてる組織を金で売って、僕らの血を浴びながら贅沢に暮らそうだなんて…もう少し人間らしく生きようとは、思わないのかっ!」
浅野が銃を落とした。今だ。
「藤浪さん!」
藤浪さんが銃を上に掲げ引き金を引いた。入ってきたドアからJCIPAの人間が流れ込んでくる。
浅野はすぐさま銃を拾い上げ、僕に向けて撃った。
その瞬間、大葉さんのトカレフ弾が浅野の手に当たった。
「痛ってぇ!」
標準がずれ、肩を掠めた。
浅野は大勢の組織員に押さえつけられている。
「お前は終わりだ、浅野」
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「今日は呑みに行くか」
藤浪さんはいつもと変わらぬ声を出した。
「そんな気分じゃないですよ。もう帰って寝ますよ」
「いいじゃーん少しくらい私たちに付き合ってくれたってー」
大葉さんは完全に最初に会った時のテンションだった。
「まあ…一時間くらいなら…」
「よーし、俺らが堅気になった記念だ。ドンと飲もう!」
決闘が終わったことを、夕焼けが教えているようだった。