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#3 足りないものを探して
🦖「ふわぁ…ねっむ…」
⚡️「おいキャプテンが遅刻してどうすんねん」
モブ「そうっすよ!勇次先輩!」
朝日が差し込むグラウンド
俺たち野球部は朝から部活に取り組んでいた
🦖「ごめんごめんw」
🦖「それで、、なお兄、もふくん。言ってたの準備できた?」
🌷「もちろんです!」
そう言うともふくんは鞄から一枚の大きな紙を取り出した
そこには気が狂うほどの文字が並んでいる
🍪「これって…?」
🦖「去年佐山県代表として甲子園に出場した、黒神高校の特徴だよ」
🎸「え!?」
黒神高校は去年甲子園で準優勝を果たした強豪校だ
今年もこの県大会に出ることになる
🐸「強い高校の対策を考えて打ち勝とうってわけか」
🦖「そういうこと」
🦊「なるほど…!!」
🦖「きっと、、俺たちにはまだ足りないものがあるんだ」
そう言うと皆んなが俺の目を見る
🦖「足りないものを補えば、絶対勝てる」
🦖「地獄みたいな日々が来ると思うけど、頑張ろう!!」
全員「おう/はい!!!」
全員の声が揃う
朝日がきらりと光ったように見えた
🦖「俺たちに足りないものは何だろう…」
全員が眉をひそめながら腕を組む
⚡️「集中力とか?最近練習中にふざけすぎてるところがあるし」
確かに、真面目に練習に取り組めてないところもあるな
🐸「心のバランスも大事だと思うな…焦りすぎても、力は発揮できないし」
メンタルケアも大事…
🦊「あと根性とかですかね!俺、甲子園なんて夢だと思ってたから…でも、もうそんなこと言ってられない!!」
2年のどぬとうりも意見を出す
🎸「いや、俺はパワー不足!もっとバッティング強化しないと…!」
モブ「俺、ちゃんと送球できるか不安です…」
モブ「不安は後悔に繋がるから!!不安なんて消した方がいいよ!!」
各々足りないところを出し合って、のあがそれをメモする
いつの間にか、ノート1ページ分埋まっていた
🦖「みんな、足りないものは違う…でも、力を合わせれば絶対に勝てる!!」
たっつんがふっと笑って俺の顔を見る
⚡️「俺ら気持ちは100点満点やと思う。でもさ、根性だけじゃ勝てへんよな」
🌷「足りないものを補うだけじゃ勝てません…それを強みにして、弱点を無くさなきゃ!!」
👓「連携も大事だよ、味方への信頼も厚くないと良いプレーはできない!!」
瞳が揺れる
全員の気持ちが一つになる
🦖「よし、今日の練習では、全員で足りないものを補おう」
笑顔になり、大きな声がグラウンドに響いた
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🍗「もうやだぁ…なんで生花部にまで朝練あんの…」
🍫「もうすぐ大会だからしょうがないじゃん!w」
聞いたことねえよ生花部の朝練なんて…
🍗「付き合ってくれてありがとな」
🐏「友達だから当たり前だろ!」
❄️「そうですよ!」
朝日に照らされて少し眩しくなる
🍪「あっ…!ねえねえ!」
突然見知らぬ女の子に話しかけられる
🍗「どうしたんですか?」
🍪「これ…昨日落とさなかった?」
彼女の手には野球ボールのキーホルダー
ふと通学バッグを見るとキーホルダーが無かった
🍗「あ、、俺のだ…すみません!ありがとうございます!」
🍪「ううん!大丈夫だよ!」
彼女の手に触れた時、何か不思議な感じがした
🍪「それじゃあ私もう行くね!あ、私桃乃飛香!のあって呼んでね!」
🍗「え?あっ、ちょ!?」
俺が自分の名前を言う前に、のあさんは走り去ってしまった
❄️「…不思議な人ですね」
🐏「のあ…さん、?あんな先輩いたんだ…」
🍫「ね…、ほら!教室行こ!」
俺達はそのまま自分の教室へと歩いた
キーホルダーから付箋が剥がれ落ちる
地面に落ちたその付箋には「いつか夢を叶えてね」
そう書いてあったことを俺は気づきもしなかった
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夕方もグラウンドに声が響き渡っている
⚡️「っぐ!!」
🧟「たっつん!そんなボールじゃ一塁アウトにできないぞ!!」
⚡️「…っはい!!!」
汗を拭ってまた立ち上がる
🐸「いいねー!今のボール打ちにくそうだし、俺も掴む感覚覚えれた」
🦖「うん、じゃあもう少しスライダー磨くわ」
ボールの回転をちゃんと掴んで
🦊「二塁ってよく盗塁してくるよね…」
🎸「おう、しかも黒神高校は盗塁が得意…」
🦊「俺二塁だし、、もう少し守備練習したい!付き合ってくれる?」
🎸「任せろ!!俺もライトだし、付き合って!」
相手の動きを考察して
👓「黒神高校は打力が凄い選手が3人いる…」
🌷「それならセンターとレフトも油断してはいけませんね、」
モブ「ショートは大丈夫なんですか?」
👓「そこは俺がちゃんと守る、どぬへの送球練習も何度も練習したし」
モブ「サードは…直人先輩でしたっけ?」
🌷「はい、頑張って守りますw」
👓「小学生かよw」
🌷「なんて言えばいいか分からなくてw」
モブ「じゃあ俺らもセンターとレフト守るの頑張ります!!!」
👓「この先輩真似しちゃ駄目だって!!w」
🌷「あははww」
笑い合ってこの瞬間を噛み締めながら
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そんなみんなを見ながら私たちは立ち尽くす
🧟「皆んな今まで以上に練習に一生懸命取り組んでるけど…何かあったのか?」
🍪「…分かりません。でも、皆んな一生懸命なんです」
🍪「甲子園で優勝するために…」
私は俯いて、小声で呟く
🍪「私もちゃんと向き合わなきゃ…っ」
🧟「飛香?」
顔を上げると心配そうにする海斗先生
🍪「…なんでもないです!」
私は海斗先生に向かって精一杯の笑顔を見せた
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⚡️「じゃーぱ…、明日、、抽選会やっけ、?」
🦖「たっつんが珍しく疲れ切ってる!?」
⚡️「おい俺がいつもサボってるみたいな言い方すんなや」
🌷「事実ですよね…w」
⚡️「なおきりさんぶっ倒すで?」
華麗なツッコミに俺たちは笑う
流れ落ちる汗を手で拭いながら
⚡️「とにかく!!明日抽選会やんな?」
🦖「うん、」
🐸「間違いなく俺たちは強くなってる」
🐸「どんな高校でも俺たちは全力で戦うのみだよ」
シヴァさんの一言に全員が頷く
🦖「じゃあ明日行ってくる!!」
全員「おう!!」
🎸「いやあ緊張するなー!!」
👓「まだ早いだろ!ww」
皆んながガマガヤとしてるところとちょっと離れた場所で、のあは笑っている
けれど、なぜだかその瞳が
寂しいような悲しいような感情を映し出しているように見えてしまった
🦖「…疲れ、だよな」
⚡️「……」
おつなこ!!!