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99点を取った嘘つき
誰かさんのサブアカウント
中学三年の朝倉凛は、
勉強が嫌いだった。
嫌いというより、
信じていなかった。
クラスには「毎日5時間勉強してる」と言うやつがいた。
先生は「努力すれば必ず伸びる」と言う。
SNSには「東大生の勉強法」が流れてくる。
でも凛には全部嘘っぽく見えた。
実際、
自分もやってみた。
ノートをきれいにまとめた。
蛍光ペンも引いた。
参考書も買った。
それなのに点数は変わらなかった。
数学48点。
英語52点。
理科45点。
「結局、頭のいいやつが勝つんだろ」
そう思っていた。
ある日。
凛は図書室で変な男に出会った。
高校生くらい。
制服も違う。
でもなぜか学校にいる。
男は問題集を閉じた。
「勉強、下手だね」
「は?」
初対面だった。
殴りたくなった。
「いや、本当に下手」
男は続けた。
「努力不足じゃない」
「勉強方法が下手」
「何が違うんだよ」
凛が言う。
男は消しゴムを取り出した。
「今から100個の単語を覚えろと言われたらどうする?」
「書く」
「何回?」
「10回とか」
男は笑った。
「それが罠」
彼は紙に二つのグラフを描いた。
「人間は忘れる」
そう言った。
「覚えるより忘れるスピードの方が速い」
「じゃあ何回も書けば」
「その時間でテストした方がいい」
「テスト?」
「そう」
男は英単語を書いた。
apple
「意味は?」
「りんご」
「じゃあ覚えてる」
「当たり前だろ」
「じゃあ見ないで書いてみろ」
凛は書いた。
APPLE
「正解」
男はうなずく。
「今、脳は思い出した」
「重要なのは入力じゃない」
「出力だ」
凛は首をかしげた。
「教科書読むのも大事じゃね?」
「もちろん」
男は答える。
「でも読むだけだと脳はサボる」
彼は例を出した。
漫画を読んだ翌日。
細かいセリフは覚えていない。
でも好きなシーンは覚えている。
なぜか。
「思い出したから」
「勉強も同じ」
「問題を解く」
「答えを隠す」
「思い出す」
「間違える」
「直す」
「この流れが一番強い」
凛は少し興味を持った。
「じゃあノートまとめは?」
「ほぼ趣味」
「えっ」
男は真顔だった。
「楽しいならいい」
「でも成績を上げたいなら優先度は低い」
凛は衝撃を受けた。
今まで何時間もかけていたからだ。
次の日。
凛は試してみた。
英単語を10個読む。
閉じる。
紙に書く。
思い出せなかった単語だけチェックする。
また後でやる。
最初は最悪だった。
全然思い出せない。
自分が馬鹿になった気がした。
放課後。
例の男に会った。
「全然覚えてなかった」
「いいことだ」
「は?」
「忘れてる場所が見つかった」
男は笑う。
「勉強で一番危険なのは分かった気になること」
凛は黙った。
確かにそうだった。
教科書を読むと理解した気になる。
でも問題になると解けない。
「思い出せなかった瞬間」
「そこが成長ポイントだ」
それから凛は方法を変えた。
読む。
閉じる。
思い出す。
問題を解く。
間違えたら印をつける。
数日後にもう一度やる。
最初は面倒だった。
だが不思議なことが起きた。
忘れにくい。
そしてもう一つ。
男は言った。
「長時間勉強は幻想」
「え?」
「集中力は有限」
彼は説明した。
3時間だらだらやるより、
25分集中して5分休憩。
それを繰り返す方が強い。
凛は半信半疑だった。
だが試した。
驚いた。
本当に疲れにくい。
テスト前。
クラスメイトたちは焦っていた。
徹夜。
一夜漬け。
まとめノート。
凛は違った。
間違えた問題だけを見直した。
自分専用の弱点集になっていた。
結果発表の日。
数学82点。
英語88点。
理科84点。
人生最高点だった。
凛は急いで図書室へ向かった。
あの男に報告するためだ。
しかし誰もいない。
司書の先生だけだった。
「あの高校生は?」
先生は首をかしげた。
「高校生?」
「ここにいたんです」
「誰も来てないわよ」
凛は机を見る。
そこに紙が一枚だけ残っていた。
書かれていたのは八行。
―――**成績を上げたいなら。**―――
① 読むだけではなく思い出せ。
② 問題を解け。
③ 間違いを集めろ。
④ 復習の間隔を空けろ。
⑤ 勉強時間より集中時間を増やせ。
その下には小さく書かれていた。
「勉強ができる人は、
頭がいい人ではない。」
「忘れることを前提に、
学ぶ人だ。」
凛はその紙を筆箱に入れた。
そして高校生になっても、
大学受験のときも、
その紙だけは捨てなかった。
なぜなら、その八行が、
今まで教わったどんな勉強法よりも、
ずっと役に立ったからだ。
テスト用に調べたことをまとめ、自己満足のために仕上げるために四時間かけたものです。
はい。
まぁテスト対策シリーズでも作ろっかな。
あ、本垢に関する情報をここで一つ落とします。
本垢は学生です((
聞きたい情報があったらファンレター等からお願いします。
はい。
サヨナラ。