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・ 「 おい 猫宮 !! 」
オフィス内 に 鋭い 怒号 が 響く 。
うるせぇ 、 と 言える 筈 も ない 愚痴 を 口 の 中 で こぼしては 、
桃 「 ぅす 、 」
と あからさま に
やる気 の ない 返事 を し 、
上司 の 元 に 向かう 。
・ 「 ここ の 資料 、 ミス が あるぞ !! 」
桃 「 え マジ すか 。 」
・ 「 っ たく …… 、
お前 は 入社 して 4年 も 経つ のに 、
礼儀 は な っ て ないし 、 ミス も 多い し …… 、 」
……… これ は 放 っ ておく と 長く なりそう だ 。
そう 本能 的 に 感じた 俺 は 思 っ ても いない 謝罪 を した 。
桃 「 さ ー せ ー ん 。 」
・ 「 っ 早く 直してこい !! 」
俺 が 作成 した 資料 は ビリビリ に 破かれた うえ 、
シュレ ッ ダ ー に かけられて しま っ た 。
桃 「 __はぁ 、__ 」
溜め息 まじり に パソコン を 立ち上げ 、
資料作成用 の ファイル を 開く 。
桃 「 さ っ さ と 辞めて え …、 」
周り に 聞かれ ない ように ボソ ッ と 小声 で つぶやく 。
き っ かけ さえ あれば な ぁ ……
と 考えて カレコレ ほぼ 5年 。
未だ に 俺 は 辞めず に いる 。
# 「 桃 さ ー ん 。 」
桃 「 んぁ 、 ど ー した ? 」
同じ 部署 の 後輩 である 。
前 まで は
# 『 猫宮先輩 〜 っ !! 』
なんて 慕 っ ている ように 呼ばれて いた のに 、
今 では 完全 に 下 の 名前 。
相手 が 後輩 という 事 も あ っ てか 舐められてる みたい で
あまり 良い 気分 では ない 。
# 「 飲み会 ある ん す けど 、 来ます ? 」
桃 「 ん ー 、 わり 、 俺 パス 」
# 「 マジ すか …… 。
いつも 来ません よね 。 」
まぁ 、 そう 思われる のも 仕方 が ない 。
飲み会 には 最初 の 新入社員歓迎会 に しか 行 っ て いない 。
酒 を 飲む のは 嫌い じゃない 。
寧ろ 好き な 方 だ 。
ただ 、 人間関係 が 面倒 な だけ 。
# 「 ま 、 いいすけど 。
……… お疲れ さま で ー す 。 」
桃 「 ぅい ー 。 」
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桃 「 っ はぁ ~、 」
帰 っ て 早々 、
盛大 に 溜息 を 吐いて しま っ た 。
スーツ を 脱ぎ捨て 、 冷蔵庫 を 漁り 、
缶ビ ー ル を 片手 に ソファ に もたれかかる 。
垂れ流し の テレビ の 陽気 な 笑い声 と 、
缶 を 開いた 時 の プシュ ッ 、 という 音 だけ が 響く 。
ゲ ー ム だの ギタ ー だの 、
色んな もの が 混在 して いる 中 、
俺 は これとい っ て 今 使 っ ている もの は 特 に なか っ た 。
ぼ ー っ と した 意識 の まま テレビ を 観ている と 、
突然 特番 の バラエティ番組 が ニュ ー ス に 切り 替わ っ た 。
》 速報 です !!
》 政府 が た っ た今 、 今日 から 丁度 1ヶ月後 、
》 世界 が 終わる と 発表 しました 。
桃 「 は …… 、?
世界 が …… 終わる 、 ? 」
》 尚 、 どのような 形 で 終わる のか は 不明 との 事です 。
》 繰り返し ます 。
…… あ 。
桃 「 き っ かけ 見つけた わ 。 笑
仕事 辞め れん じゃん 。 」
こんな 非常事態 に 、
呑気 に そんな こと を 考え て いられる 酔狂 は 、
き っ と 世界中 を 探しても 俺 一人 しか いない だろう 。
即座 に ペン と 紙 を 用意 して 、
辞表 を 書き始める 。
桃 「 辞めた ら どうす っ かな ~ 」
そんな こんな で 世界 が 騒いだ 非常事態 の 夜 は
俺 に と っ て は わくわく する もの と な っ た 。
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_________ 翌日 の 早朝 。
俺 は 辞表 を 出す べく 、 社長 の 元 へと 向か っ た 。
桃 「 失礼 しま ー す 。 」
@ 「 ……… あぁ 、 猫宮 くん か 。
どうしたんだい ? 」
桃 「 ……… これ 。 」
パシ ッ 、 と 机 の 上 に 叩きつける よう に 封筒 を 置く 。
@ 「 ……… やめるのかい ? 」
桃 「 はい やめます 。 」
@ 「 ……… そうか 。
分か っ た 、 書類 は 発行 しておく 。 」
桃 「 ありがとうございます 。 」
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桃 「 ん ~ っ! 」
ぐ ー っ と 体 を 反らす 。
思い の ほか 、
あ っ けなく 終わ っ た 。
社員 の 出勤時間 の ピ ー ク より だいぶ はやい 時間 だ っ た 為 、
誰か に 会 っ て 感動 の 別れ を する 、
という ことも なく 、
そそくさ と デスク の 私物 を まとめ 、 足早 に ビル を 出た 。
桃 「 とりま 今日 は ゲ ー ム 三昧 だな ー 笑 」
歩く 足取り は 軽か っ た 。
残り の 人生 の 楽しみ 方 を 呑気 に 考えて いる と 、
前 から 見覚え の ある 顔立ち の 奴 が 歩いて きた 。
紫色 の ふんわり した 綺麗 な 髪 。
桃 「 ……… な ー くん ? 」
紫 「 …… へ 、 ぁ !!!
桃 くん 〜 っ !!!!! 」
柏原 紫 。
通称 な ー くん 。
俺 の 親友 である 。
彼 は ひらひら と 手 を 振り ながら 、
こちら に 駆け寄 っ て くる 。
桃 「 な ー くん こんな トコ で 何してんの ? 」
紫 「 ふふ っ 、 今日 は 仕事 休み だから
ちょ っ と ぶらぶら しようかな 〜 っ てね !! 」
な ー くん は 真面目 だな …… 。
なんて 考えて いると 、
紫 「 桃 くん は ? 」
こて 、 と 首 を 傾げて な ー くん が 尋ねて きた 。
桃 「 俺 仕事 辞めて 今 帰る ところ ー 。 」
平然 と そう 言う と 、
彼 は 大きく 目 を 見開いた 。
紫 「 辞めたの !? 」
桃 「 そ 、 残り 1ヶ月 は したい こと しよう と 思 っ てさ 。 」
紫 「 そ 、 そう …… 。 」
しばし の 沈黙 。
なんとなく 気まずくて 、
ふと 思い 浮かんだ 疑問 を 彼 に 聞いて みる 。
桃 「 なぁ 、 」
紫 「 ん ? 」
桃 「 な ー くん は 残り 1ヶ月 なに すんの ? 」
紫 「 ん ーーーー 、 特 に 決ま っ てない かな !! 笑 」
桃 「 ……… じゃあ 、 さ 。 」
______ 俺 と 過 ご さ な い ?
無意識的 に 口 が 動いた 。
紫 「 え 」
桃 「 俺ら だけ じゃなく て 、
他 の 人 も 誘 っ てさ 。 」
紫 「 ……… うん 、 いいよ 、 ?? 」
桃 「 何で 疑問 系 なの 笑 」
ふ っ と 吹き出して 笑う と 、
な ー くん も 照れた よう に 頬 を 掻き ながら 笑 っ た 。
紫 「 へへ 、 !!
…… じゃあ 今度 連絡 入れる ね !! 」
桃 「 おう 、 待 っ てる わ 」
こ こ か ら 始 ま る の だ 。
俺 ら の 、
終 わ り ま で の カ ウ ン ト ダ ウ ン の 唄 が ___ 。