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君よりも辛い人がいるって助けにならない。
読み切り小説。
俺のじいちゃんは、第二次世界大戦で戦ったんだ。
すげえ立派な人だった。
一方、俺はというと学校すら卒業できていない。
母さんが恋しくなって中退したんだ。
それと、ひいじいちゃんは消防士だった。
どんな火事でも諦めずに立ち向かった。
だから俺のカウンセラーは呆れ始めているんだ。
出来底のないくせに言い訳ばっかしてるから。
なんでこんなことに。
まじでありえない。
勘弁してくれよ。
恥ずかしくて冷汗が出るよ。
彼らが身内にいるせいで自分が惨めに思えてくるんだ。
でも、嫌な気分になるのはしょうがないことだろ?
あの二人も俺の事見て悲しんでるような気がするよ。
なあ、可哀そうな人生だと思わないか?
お願いだから話を聞いてくれよ。
だけど、もし誰も耳を貸してくれないなら
めちゃくちゃに吹き飛ばして、
感情に任してここで騒いじゃうから
だから俺の愚痴を少しでも君に聞いてほしいんだ。
俺のじいちゃんは警察官だった。
誰からも尊敬される人だったんだ。
なんだか自分が情けなくなってきたよ。
俺も何か功績を残さないといけないな。
友達はみんな悪い奴らと遊んでて、
仲間を作るのがすげえ上手いんだ。
だけど俺は怖くてなかなか輪に入れない。
だって悪いことして何が楽しいの?
もう嫌なんだ,
こんなの狂ってる。
おかしいだろ。
こんなはずじゃなかったのに。
変に比べられると、生きていくのが馬鹿馬鹿しくなる。
でもこんな気分になるのも無理はないだろ?
みんな俺を見て可哀そうに思ってるに違いない。
悲劇のヒーローぶってるかもしれないけど、
俺みたいな人もいるってことを知ってほしいんだよ。
だから誰も足を止めてくれないんだったら、
何もかも投げ出して
ここで喚き散らしてやるからな。
だから俺の話を聞いてほしいんだ。
宇宙全体で見てみれば、誰かがもっと辛い人生を歩んでる。
けど、そう考えても楽にはならない。
痛みなんて感じなければ苦しくないのにね。
こんな小さな言葉で文句しか言えなくても
きっと支えてくれる人がいるはずなんだよ。
may today be another good day(今日もいい日になりますように。)