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心音(こころね)は、君だけに甘く響く ①
赤都 乃愛羽
第1話:運命のシェアハウス
「ちぐ、無理しちゃダメだよ? 今日は顔色が白い気がするし……」
すとぷりのリーダー、ななもり。が心配そうに覗き込んでくる。
ここは、すとぷりのメンバーと、彼らの幼馴染であり「国宝級」とまで言われる美貌を持つ君——ちぐ——が暮らすシェアハウス。
君は生まれつき心臓が少し弱くて、みんなにとっては「守らなきゃいけない、壊れそうな宝物」。
でも、君自身は超がつくほどの「恋愛音痴」。
「なーくん、大丈夫だよ。ちょっと階段登っただけだもん」
君が首を傾げて微笑むと、そばにいた莉犬くんが顔を真っ赤にして叫んだ。
「ちぐ! その顔は反則だって! 自分がどれだけ可愛いか自覚してよね!?」
「え? 莉犬くん、顔赤いよ? 風邪?」
「……もう、これだからちぐは……!」
ジェルくんが後ろから君を抱きしめるように肩に手を置く。
「ちぐ、こいつの言う通りや。俺たちの心臓、ちぐのせいで毎日バックバクなんやからな? 責任取って、俺に溺愛されてくれる?」
「えーっと……よしよししてほしいってこと?」
ピントのずれた君の回答に、さとみくんが呆れたように笑いながら君の頭を撫でる。
「はは、お前本当に鈍いな。でも、その無防備なところが一番危ないんだよ」
その時、静かに本を読んでいたころんくんがボソッと呟いた。
「……僕以外にそんな顔、絶対に見せないでよね」
キッチンからは、るぅとくんが温かい飲み物を持ってやってくる。
「ちぐ、心臓に負担がかからないように、ハーブティー淹れました。さあ、僕の隣でゆっくり休んでください」
すとぷり全員からの、過保護すぎるほどの寵愛と溺愛。
恋愛音痴な君は、まだこの「熱い視線」の意味に気づいていない。
でも、君の小さな鼓動が、彼らによって少しずつ早まっていくのは……時間の問題だった。