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さくら
途中で飽きてほっぽり出したもの
いきぬきだったからなんでもいい
キャピキャピしてて書きにくかった
私の脳内では10話分くらい内容浮かんでたけど…形にするのがめんどうで
柏木さくらについて
柏木さくら
主人公に告白する。可愛らしく良い子。中身は?。未知数。友達はおらずいじめられているが、何をしても反応しないので、飽きられ始めている。
主人公を好きになった理由。→顔。
S大附属中学の3年A組。
陸上部。
井上美海
さくらに告白される。顔が好きと言われたが、本人の顔はさほど整っておらず、平凡。さくらの感性がおかしいのだと思われる。
曖昧で中途半端な性格。勉強は中の下。楓とは友人。
S大附属高校の1年C組。
帰宅部。
和田楓
主人公の親友。外面が良く、教師からの信頼も厚いほう。隠れてバイトをしている。メガネ。
S大附属高校の1年C組。
1話
「放課後、屋上に来てください」、朝、私の下駄箱の中に入ってた手紙を読んで、私は真っ先に告白という選択肢を頭に浮かばせた。告白以外に何がある。心臓を高鳴らせながら、放課後言われた通り屋上に行くと、先客がいた。黒髪の女の子だった。小柄で華奢な彼女に後輩かなと思った。でもそれよりもどうしてこの子はここにいるんだろう、という疑問の方が大きかった。この子が私を呼び出したんだろう、なんて全く思わなかった。
私の方を振り返り、女の子は顔を輝かせた。
「井上先輩、ですよね!」
え、と声がもれた。「は、はい。」どこか圧倒されながら頷く。女の子が次の言葉を放つまでの間は一瞬で、私が何かを考える時間もなかった。
「好きです、付き合ってくださいっ。」
女の子は声を弾ませ、はっきりとそう言った。運動場で部活動に励んでいる生徒たちにも聞こえるのではないか、というほどだった。私は固まった。けれど思考は目まぐるしいようなスピードで脳内を巡っていた。
まさか。私とこの子は同性なのに? 私の恋愛対象は多分異性なのに。けれど多様性の時代にこれを理由に断るのはよくないのだろうか。じゃあどう断れば良いのだろう。ああそう、私はこの子のことを何も知らないから、それで断ろう。名前も知らない。学年も。さっき私のことを井上先輩、と呼んでいたから後輩か。……いや、私はずっと断る前提で考えているけれど、案外受け入れてもいいんじゃないか? 私の恋愛対象が異性だというのに確証はない、今まで好きだった人がみんな異性だっただけで。この子、可愛いし良い子そうだし、友達からでも初めて見れば良いんじゃない? …でも相手が私のことを恋愛対象としてみていることを知ってるのに、友達としてやっていけるだろうか。
「……井上先輩?」
黙り込んだ私の顔を、女の子は覗き込んでくる。ハッとする。とにかく何か言わなくてはいけない。だがその「何か」がわからない。下手に期待させたくないけれど、傷つけても可哀想だ。
「あ、ごめんなさい、困らせちゃってますかね?」
女の子は少し視線を落とした。確かに困っている。私は曖昧に首を縦に振った。「…ごめん。」何に対する謝罪か。告白に対する返事か?自分でもわからなかった。女の子はグッと口をつぐんでから、声を出した。
「すみません、もう、大丈夫です、断られても傷つかない、わけではないけど、でも大丈夫なので、えっと…ごめんなさい。」
それだけ言って立ち去ろうとする女の子の手首を、私は咄嗟に掴んでいた。意外と力を入れちゃって、わーごめんとすぐ離す。困惑したように視線を揺らす女の子に言う。
「私、あなたのこと何も知らないから、つまり、好きも嫌いもわかんないから、友達…からどうです、か。」
女の子は大きな瞳をさらに大きく見開いた。その口角が嬉しそうにじわじわと上がっていく。
「そ、そう。ですね。じゃあ……あ。名前はさくらです。柏木さくらです! 学年は中3で……部活は陸上です!!」
「あ、井上美海です。高1で、…部活…は、帰宅部です。」
「知ってます!」
どこで知ったのだろう。まあ、どこかで知ったのだろう。
嬉しそうな柏木さんをみて、ああ面倒くさいことになってしまったなと、本当に唐突に思った。それを隠すように「じゃあ、戻るね。」と告げて歩き出す。
2話
「はあ、告白されたの?」
その日の夜、私は告白されたことを誰かに聞いて欲しくてウズウズして、たまらず友人の楓に電話をかけた。2コールで出た楓に全てを話すと、彼女は間抜けな声を出した。
「そう、しかも女の子に。」
「やばいねー。」
「柏木…えーと、さくら?柏木さくらさん?なんだけど、知ってる?」
「え、知らん知らん。ぜんぜん。高1?」
「いや中3だって。A組の…たしか、陸上部の。」
「へえー…。で、それで、美海は友達からって答えたんでしょ?ラインとか交換したの?」
そう言われ、あ、と呟く。連絡先は交換していない。友達なら普通、するものか。次会った時、覚えていたら持ちかけよう。考えながら私は、でも…と視線を僅かにずらした。
「私あんま、乗り気じゃないんだよねー。」
「ふーん、じゃ断ればよかったのに。」
「断る予定だったよ、でもなんか申し訳ない。」
「気にしすぎなんじゃない?断られること覚悟で告白してきてるんだし。」
楓の言っていることはまさに正論だった。私はそうだよねえと呟いて、なんとなく黙り込む。楓も何も言わないから、沈黙が場に落ちた。
柏木さん。次会うのは、いつだろう。高1と中3は階も違うし交流もそれほどないから、お互いが意図的に会おうとしなければ、姿を見ることはそうないだろう。私の方が避けるようにすれば、さらに。
「断ればよかったなあ。」
ため息と共にこぼれ落ちたそれを楓が拾う。
「それならいっそ付き合って振れば?そうしたらもう関わることなくなるじゃん。」
「あー、確かに。でも断るのもできなかった私が、振るつもりで付き合おうとか言えると思う?」
「そりゃ無理だ。」
はっはと笑う楓に笑い事じゃないのになんて文句を言いながら、人間関係リセットボタンでもあれば良いのにと願う。いや、そんなことしなくても、今日の放課後に戻れればそれで解決か。戻れるわけがないけれど。
柏木さんのことは嫌いじゃない、多分良い子だ。私が面倒くさくてたまらないと感じているのは、友達から始めようとか言ってしまったことに対して。
柏木さんは悪くないけど、私はこんなことになったきっかけの彼女を、少し嫌だと思った。
3話
翌日の朝、学校の正門が近づき視線を上げたとき、視界に見覚えのある横顔が飛び込んできた。正門のそばで誰かを待つように立っている小柄な女子生徒は、柏木さんだった。心臓が1回大きく波打って、私がうつむきながら他の生徒に紛れながら正門をくぐろうとしたとき、
「あっ!」
井上先輩!高い、可愛らしい声が空に響いた。私はそれでも素知らぬふりをするなんてできずに、足を止めて柏木さんの方にゆっくりと歩いた。「おはようございます!」
「お、おはよー…。なんでこんなとこにいるの?」
にこりと満点の笑顔を浮かべて彼女は言う。
「待ってたんです!井上先輩のこと。」
そこまでするか!
「そっかーごめん。」気まずくなってなんとなく謝ると、全然大丈夫ですよと柏木さんは律儀に首を横に振った。
「さ、行きましょう!」
跳ねるように校舎の方に歩き出す柏木さん。周りの生徒に見られているような気がして、そう思うと恥ずかしくて顔を上げられなくて、せめて声量だけでも抑えてほしくなった。
「井上先輩って委員会は図書ですよね?私も後期は図書に入ろうと思っててるんです!」
「あー高校は中学は前期後期で分かれてるんだっけ…図書委員会。」
「はい!高校は通年だと聞いて、これはきた!と。」
頭がくらくらしていていっそ痛みすら感じてきた。そのせいで、なぜ私が図書委員であることを彼女に知られているのか、なんて思えなかった。