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第4話:幼馴染
〈特殊ミッション:蒼薔薇 野乃を救出しろ 0/1〉
ミッション画面に映る、その文字を見ながら俺は学校の中を外靴で走っていた。
ミッションの位置情報的には、南舎3階の左端から2つ目の1-2の教室。
「何にも起きてなければ最高なんだけど…」
俺は、そんな事を言いながらほぼ全力で階段を駆け上がった。
そして、数分が経った頃…ようやく、1-2の教室の前についた。
俺が、そっと扉を開け中の様子を窺うと…
「俺が、このクラス…いや、この世界最強だ!!お前ら、ひれ伏せ!そして、野乃…前に来い!」
と言う声と、教卓に乗る男性の姿が見えた。
「ッチ…鑑定が使えねーから勝算が分からない」
俺は、短くそう吐くと何か使えそうなものは無いか周りを探す事にした。
(早くしないと…野乃が大変な事になりそうな感じがする。)
** + **
(さっきの光は一体何だったのだろう?)
私は、そんな事を考えながら目を開け…青白い画面と目があった。
(これって…AROの画面?)
私は、そんな事を思いながら私は画面をスクロースした。
名前:蒼薔薇 野乃 年齢:13 性別:女 種族:人間種(?)
LV.1
職業:医者【サポーター】
体力:1500 防御力:300 攻撃力:50 魔力:2000 速度:100 知力:150
忍耐力:0
〈魔法〉
光魔法:LV.3 回復魔法:LV.5
〈スキル〉
回復:LV.5 鑑定:LV.3 診断:LV.4 感情感知:LV.MAX
潜在能力開花:LV.4 種族予知:LV.3
〈称号〉
回復術師
医者
〈弱点属性〉
光以外全属性
(やっぱり…AROだぁぁ…と言うか、人間(?)ってことは…考えたくない)
私は、自身のステータスを確認し現実逃避の道を選ぶことにした。
ステータス画面を閉じ周りを見渡すと…戸惑いながら、周りを見渡す人や嬉しさを密かに心の中で閉じ込めている人達がいた。
そんな、戸惑いや嬉しさで満ちる教室を一瞬にして【殺気】と【喜び】が満たした。
発生源は、一瞬で分かった。
「俺は!最強だ!!!」
今朝、私に近くに来たチンピラどもが一人…我堂 剛慢だ。
「剛慢…ステータスどうだった?」
「聞いて驚け!!俺は、〔勇者〕だ!」
(魔王も魔物もいるかどうか分からないこの世界で〔勇者〕の称号を手にしたって…何にも意味無くない?)
私は、そう考えたが…
「まじかよ!!最強じゃねーか」
「やっぱり、剛慢は最強じゃねーとな!!」
と、チンピラ一味には好評らしい…
「だよな~…ってなわけで、お前ら!俺が、このクラス…いや、この世界最強だ!お前らひれ伏せ!そして、野乃…前に来い!」
** + **
俺は、野乃と自分の為に後ろの扉からひっそりと入る事に成功した。
何故か、二度見して来る人が多かったが…まぁ、大丈夫だろう。
まぁ、状況確認もあるので近くに居る人に今まで起きた事を聞いてみた。
「あ~、あそこで立っている大柄な男がいるだろ?あいつが、このクラスのヤンチャ組のドンで、何でも〔勇者〕になったらしいよ~」
この状態で、勇者かぁ…流石に厳しくないか?確かに、転生とか召喚系のラノベだったら金も、名誉も、地位も約束されるだろうが…ここは、あいにく日本。そして、現実。勇者何てそんな物騒なものがいたら、〈魔物〉がいるって言ってるのと同じじゃないか…。
「ありがとね、大体状況は把握できたよ~。で、あのヤンチャ組のドンが何で、野乃を要求しているの?」
「多分、生意気だからだと思う」
あちゃぁ…それは、野乃が悪いな。
「うん、了解。じゃあ、私はここの外で待ってるからヤバくなったり、事が解決したら呼んでね~」
付けたし、決して必ず駆けつけるとはいっていない。
と言う訳で、俺は少しお暇させて貰おう。
そう思い、俺が外に出ようとした瞬間…
「ちょ!そこで、出て行こうとしてる人!助けて!」
と、背中から声が聞こえた。
と言うか…この声もしかして…。
「そう、今こっち見た人!…何か見た目変わってるけど…」
何か小声で最後言った気がするけど、多分…バレてるな…だったら…
「私に、何か用ですか?蒼薔薇 野乃さん?」
最高の、悪役右腕ポジで行こうじゃないか!
まぁ、通常世界だったら…心にすっごい傷を負う事間違いなし!黒歴史に直行!って感じだけど。
「ちょっと、来てくれない?」
俺は、何か作でも有るのか?と思って、近づき小声で相談し始めた。
「で?なに?」
「私、ちょっと特殊なスキル持ってるの…で、私のスキルで貴方を強化するからあのバカ野郎どもをぶっ飛ばしてくれない?」
「自分でやれよ」
「私、完全サポーターなのよ…攻撃力50しかないの」
「俺は、ALL10だよ」
「大丈夫、全部100以上に数分だけ出来るから!」
「わぁ~ったよ、だけど、後で話があるからな!」
俺は、そんな会話を終わらせイきり勇者様の方へ向いた。
「じゃあ、お願いね!」
「と言う事なので、これから、貴方のご奉仕をさせて頂きます」
「っは!お前みたいな“小学生”に言われても、勃つもんもたたねーよ!」
「そうだね!私も、小学生にそんな事を言われたら、嫌だよ…でもね?“同い年”の場合は違くないか?」
「〈スキル:潜在能力開花発動!〉」
野乃が、そう言った瞬間…何かが俺の中から、飛び出るような感覚がした。
+++ * +++
俺は、何者だ?
何処に居るんだ?
なんだ?この、真っ暗な空間は…?
『儂を、呼びだしたのは…汝か?童よ』
真っ暗な空間に、二つの赤く光る物が出てきた。
多分、これは契約の時の奴か…
「いや、今は一時的に友人の〈スキル〉で呼んでいるだけだ」
『そうか…では、汝との契約は?』
なんで、コイツ寂しそうな声で言って来るんだよ!
「ま、また、今度な。それこそ、今日の夜でもいい」
『承知した。目の前の雑魚共だけなら、そこまで時間もかからんのぅ…。』
「あぁ、大体10分くらいでいい。ただ、終わったらこっちから〈スキル解除〉と心の中で言うから、スキルを解いてくれ。本契約は、今日の夜と言う事で」
『承知じゃ』
+++ * +++
「じゃあ、数分で…かたを付けさせてもらう」
俺は、そう言い教卓の近くに居るイきり勇者様に中指を立てた。
「あぁ、俺もお前にムカついていた所だ!俺の、最強にして二つの内のスキルを見せてやろう!〈魔剣作成〉」
そう言った瞬間、イきり勇者の手からみるみる内に武器が作成されていった。
見た感じ、雷属性を持つ状態の武器っぽい。
「面白い!速攻で終わらせてやる…人生ごとな」
「お前の様な、気味悪い獣…この世に生まれてきたことを後悔させてやる!」
名前:我道剛慢 年齢:13 性別:男 種族:人間種 LV.1
職業:勇者【アッタカ―】
体力:100 攻撃力:100 防御力:100 魔力:100 速度:100 知力:110 忍耐力:0
〈スキル〉
魔剣作成:LV.1〈雷属性付与〉衝撃波:LV.5
〈称号〉
悪の勇者
自信満々な人間
〈弱点属性〉
全属性
ハプニングがあり過ぎる!!
もう嫌だぁ!
書くのが止まらね―――――!!