公開中
魔法試練:第五戦 光の試練
闘技場に、柔らかな光が差し込む。 空から降り注ぐような神聖な輝きが、空間を満たしていく。 リュカの前に立つのは、光の国・セレフィアの神官戦士——セラ。
彼女は白銀の鎧を纏い、背には光の翼の幻影を宿していた。 その姿は、まるで神の使いのように荘厳で、静謐だった。
「光は、秩序であり、信仰であり、希望そのもの」
セラの声は、澄んだ鐘の音のように響く。
「あなたの“無”が、それを拒絶するなら……私は、あなたの信念を試す」
リュカは、彼女の姿を見て、言葉を失っていた。 かつて村で唯一、自分に優しくしてくれた少女——その面影が、セラに重なっていた。
「……セラ。君は、俺のことを覚えているか?」
セラは、静かに頷いた。
「私は、あなたの“記憶”を守る者。だからこそ、試練を与える」
彼女は、光の結界を展開する。 闘技場全体が、聖なる領域へと変わる。
「この結界の中では、嘘も憎しみも消える。あなたの“無”が、それを壊すなら——それは、希望の否定になる」
リュカは、灰色の魔力を纏いながら、結界に手を伸ばす。 だが、灰色の魔力が、光に触れた瞬間——弾かれた。
「……拒絶できない?」
セラは言う。
「光は、拒絶されることを許さない。それは、世界の“善”だから」
リュカは、苦悩する。 自分の魔法は、すべてを否定する力。 だが、“善”を否定すれば、それは自分自身の存在理由をも壊してしまう。
「俺は……魔法を壊すために生まれた。だが、希望まで壊してしまえば……」
そのとき、セラが歩み寄り、リュカの手に触れた。
「あなたの“無”は、壊すだけじゃない。選ぶこともできるはず」
その言葉に、リュカの灰色の魔力が変化する。 拒絶ではなく、“選択”の力。 彼は、結界の一部だけに手を伸ばす。
すると、光の結界が“裂ける”。 秩序の中に、自由が生まれる。
セラは微笑む。
「あなたは、光を拒絶したのではない。光に“選択”を与えた」
リュカは、静かに頷く。
「俺の魔法は、支配を壊す。だが、希望は……残す」
セラは剣を収め、次の試練を告げる。
「最後の試練は、闇。最も深く、最も危険な魔法。あなたの“無”が、それに触れたとき——何が残るのか」
ふーーーーー
書くことがない!ので
ばいばい