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大人になった日。
新シリーズが始まると思ったその前に…またまた3分物語集です!
カーン…。午前0時を示す時計の音が鳴った。誕生日おめでとう、私。やっと、|大人《成人》になったんだ。私はいつも、0時を過ぎて、誕生日を迎えてから、床につくようにしている。今日も、いつものように、0時を過ぎてから、眠りについた。
今日は、彼氏とデートに行く約束をしていた。水族館に行くのだ。彼が、誕生日だから、連れて行ってくれると、半年くらい前から約束していた。私たちは、家が近いから、いつもお出かけに行くときは、家の近くの公園で集合していた。だけど、今日は違った。彼が私の家に迎えに来てくれると言うのだ。私は少し嬉しかった。
今日は、9時に彼が迎えに来てくれて、そこから、1時間かけて、目的の水族館に行くことになっていた。彼は、時間に遅れたりなんてこと、絶対にしない。今日も、ちゃんと時間通りに家に来てくれた。そして、いつものように、彼は黒いパーカーを着ていた。
2人で一緒に電車に揺られながら、水族館に到着した。イルカショーを見に行ったり、いろんな魚たちを、見てまわった。いつもよりも楽しく感じた。この時間が、永遠に続いたら良いのに。しかし、そんなわけにはいかない。
帰り際、私の家に着く途中、公園で彼に止められた。
「ちょっと待ってて」
もちろん待った。私は、彼は戻ってくると信用していた。3分くらい待った。すると後ろから足跡が聞こえてきた。どんどん足跡が近づいてきた。
「お待たせ」
後ろを振り返った瞬間…
「カーン!!!!」
土の上に、真紅色に染まった鉄の液体が流れた。