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オカルト 林真綾
もともとホラー小説が好きだったのもあり、わたしは好きになった。都市伝説や怪異、想像しただけでワクワクする。超能力にも憧れるし、金縛りとか一度でいいからなってみたい。
そんなことを友達に言いふらしていたわたしは、いつからか気味悪がられるようになった。
「あの子と一緒にいると、祟られる」
「おかしな子だから、あんまり遊ばない方がいい」
「超能力とか嘘っぱちなのに、信じているバカだよ」
そんなふうに言われ、気味悪がられて、いつしかわたしは心を閉ざした。そして、気を紛らわすためにもっとオカルトにのめり込んだ。ネットで手頃な都市伝説スポットを見つけて、行ってみたり調べてみたりした。別に命なんてどうでもよかった。好きなことをして死ねるなら、それが本望だった。行ってみて死ななかったら、チャットサイトの日記機能で、『ミミの心霊日記』で公開して、反応を得られた。その反応がわたしの生きる糧になり、わたしの命を天秤にかけるものだった。
心霊現象とか色々調べていると、同じことを考えている人が若干名いるもので、その人たちとオカルト同盟を組んでみたりもした。
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だいたいの心霊スポットを制覇し、いよいよ遠めのところに行こうというところで、そのチャットルームを発見した。
『不登校あつまれ』
最近マンネリ化してきていた『ミミの心霊日記』より、ずっと面白そう。直感でそう感じた。入ってみると、みんな快く迎えてくれた。オカルト好きを明かしてみても、ちっとも否定されなかった。寧ろ、嫌というほど肯定された。
しだいにオカルトの興味は薄れ、雑談を楽しんでいた時。
『不登校のみんなで人狼ゲームしませんか?』
薄れていたオカルトの血が、ぶわっと騒ぎ出した。面白そう。ネットでこうやって募って、密室でゲームをする…最高だ。
命なんて別にどうでもいい。そこで死ねば死ぬし、そこで生きれば日記のネタになる。起死回生を狙った、すごいネタになる。
問答無用で、わたしはチャットルームのタイトルをクリックした。