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    完結後番外編 彩夏の事情
    
    
    
    彩夏side
私は小さいころ、ある2人の子達と毎日のように遊んでいた。
おいかけっこをしたり、かくれんぼをしたり。
でもある日、そんな当たり前のようなことが、糸がプツッっと切れたかのように、突然、終わった。
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お母さんが、今まで一緒に遊んでいたあの子達と遊ぶのはダメって言った。
なんで?
って聞いたら、あの子達はお父さんとか、お母さんがいないから、って。
こっそり遊びに行こうとしても止められて、遊ばせてくれなかった。
それからは話すことは徐々に少なくなっていった。
中学に入る時、美咲という子が話しかけてくれた。
話していくうちに徐々にその子が小さいころ遊んでいた子の一人だということが分かった。
私はもう会えないと思っていた子に会えたのが嬉しくて、沢山話しかけるようになった。
思い出話や、小学校の頃の話。奏多君の話も耳が痛いくらいに聞いた。
それほどに、美咲ちゃんは奏多君のことが心配なのだということが、痛いほど伝わってきた。
でも私はあの子の心の中に、踏み込みすぎてしまった。
そのせいで私は避けられるようになり_ついには話さなくなってしまった。
私も美咲ちゃんも、別の友達とばかり話している。
ほんとは美咲ちゃんと話したかった。
でも、
あの時もう少し考えていれば…
とか
嫌われていたらどうしよう。
とか
陰愚痴を言われていたらどうしよう
とか。
私はそう自分に言い訳をしてばかりいて、いざとなったときには行動しない。
今考えると本当にバカだなとしか思えない。
結局は自分が傷つきたくないだけ。
そんな自分が嫌でしょうがなかった。
美咲ちゃんと話せないまま
私は交通事故に遭って、意識不明となってしまった。
---
体が軽い。
あぁ、私は死んだのか。そう思えるほど、びっくりするくらいに体が軽かった。
幸いまだ死んではいないようで、今の姿はまるで幽霊。体と分離しているため、この姿で動いてもばれていないようだった。
何日も暇な日々が続いた。
一つ研究をしてみることにした。
それは、
”死者と会える空間”を作り出すことだった。
興味本位で始めたことだった。
思いのほか楽しくて、学校を休んで研究所に籠って毎日研究ばかりしていた。
そしてできるはずもないと思っていた研究は、完成直前まで近づいていた__
---
美咲ちゃんが死んだ。奏多という子を庇って、死んだ。
そんな情報が耳に入ってきたのは、研究がもう完成直前、というところだった。
結局私は、何もできなかった。
___だったらせめて、この研究を完成させよう。
完成させて、美咲ちゃんが庇ったあの子に、美咲ちゃんと会わせてあげよう。
けれど、そんなに上手く物事が進んでいくわけでは勿論なくて、一向に研究は完成しないままだった。
そんな時、一人の少女と一人の少年が、この研究所に入ってきた。
あの子だ。美咲ちゃんが庇った子。
その子は小さいころに遊んでいた、あの男の子に似ている気がした。
話しかけてみた。
少女には聞こえないように、少年にだけ聞こえるように。
やっぱり、その少年は小さいころに遊んだ、あの男の子だった。
奏多君は、美咲ちゃんと会いたいと言った。
それがたとえ危険を冒すことになるとしても、会いたいと言った。
正直研究は完成していなかった。
このままだったら、間違いなく失敗するだろう。
そして、最悪の場合奏多君も私も、死ぬ。
そうなってしまっては、美咲ちゃんに申し訳なさすぎる。
どうせ今後生きれるかどうかもわからない身。
それならば、私の命を犠牲にして、奏多君を美咲ちゃんに会わせてやればいい。
覚悟を決める時間を、2日だけもらった。
瑠依にも会えたし、もう私は十分幸せだった。
この命は、奏多君に引き継ごう。
天国に行ったらまた、美咲ちゃんの話を沢山聞かせてもらおう。
もう、いいんだ。
奏多君、行ってらっしゃい。
美咲ちゃ__と___
プツッ
---
ここは…公園…?
なんか見覚えがあるような…
あ、ここ、小さい頃よく遊んだ公園だ
よく砂場で遊んだりしてたっけ…
懐かしいなぁ
そういえば、私どうしてここにいるんだろう
…あ、私、死んだのか
二人は会えたかな
会えてるといいな
あの二人は…瑠依と美那は、元気かな
話さないまま、こっちまで来ちゃったなぁ
死んだってことは、美咲ちゃんと会えるのかな
_久しぶり
_そうだね
_ごめんね
_うん
_ありがとう奏多君とは、会えた?
_よかった
_やっぱり、命を捨ててでも、やってよかった。
_ふふっ
_いいんだよ
_これが私の選んだ_人生だから_
_それに二人が会えただけで私は__
_うん
_美咲ちゃんに出会えて、ほんとによかった___
_うん
_またいっぱい、話、聞かせてね
_うん
_そうだね
_行こうか__
    
        本文1980文字
いや~凄いっすね
こんなに行ったの初めてかもしれない()
いつも短かったから…
あ、皆さんに一つアンケート取ってもいいですか?
あの、今後の幼君なんですけれども
番外編、作ろうと思ったら作れるんすけど読みたいですか?(((
ファンレターで送ってくださると嬉しいです
一件も来ていない場合は
気分で決めますはい(((
期限はー
2025年3月3日23時59分59秒まで
宜しくお願いします