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⒈ 暗い闇
「ーよし、じゃあこれは来週までにまとめて完成させておくように。」
「親の職業レポートにまとめるとか小学生じゃん!」
「流石にだるすぎでしょ笑」
どう、しよう…親の職業なんて…かけるわけない…、。
「|優好《ゆう》ちゃんの親って何してるの?」
「っえ…?」
そんなこと言えるわけない。お父さんはもう他人だしお母さんは無職だ。今は生活保護を受けて必死にギリギリの生活をしている。
そんなの友達に恥ずかしくて言えない。
「えっと…そんな大した仕事じゃないよ?」
「いいじゃん!教えてよ!」
「んとね…スーパーのレジ打ちかな?」
「へーそうなの」
私はその反応に少し苛立ちを覚えながらニコニコ笑って
「うん。まあね。」
と言う。きっと今の私の顔は曇っている…今の話で一瞬にして昔のことを思い出してしまった…。
それは10年前の私の6歳の誕生日だった。
その日は朝から大雨が降っていた。「誕生日なのについてないなぁ、」と思ったのを覚えている。
お父さんとお母さんはその前からいつものように、夫婦喧嘩を繰り返していた。
でもその日を境にお父さんは二度と私の家…「|神崎《かんざき》家」に帰ってこなくなった。私はお母さんと2人になってすごく悲しかったのを今でも鮮明に覚えている。でもその時にお母さんが
「ごめんね。お母さんお父さんの分も頑張って、貴方を立派な大人に育てるからね。優好のこと大好きだから何も心配しないでね。」
そう言ってくれた。その言葉が嬉しくて2人でも頑張れるような気がしていた。それが最後の「大好き」とはあの時は思ってもいなかった。
その日からお母さんはどんどんおかしくなっていった。そんなある日私はお母さんにこんなことを聞いていた。
「ねえ、お母さん、お仕事行かないの?」
今思うとびっくりするようなこと聞いてるけどその時の私はそんなこと考えられないくらい幼かった。すると、お母さんがものすごい剣幕で
「うるさい!優好を産んだからなのよ!?そもそも貴方さえ産まなくちゃこんなことにはならなかった!!貴方のせいでもあるのよ!!」
そう言い放った。この言葉がずっと私の胸に引っかかって取れなくて、どんどん自分の心に溜まっていった。
それ以降お母さんは私と会話すらしなくなった。まるで私なんて最初からいなかった存在のように。
ご飯もお風呂も、何もかもやらなくなった。自暴自棄になっていたんだと思う。
最初はすごく悲しかった。当たり前だ、自分の親とまともに会話もできないのだから。何もしてもらえないのだから。
でもそのうちにすぐ慣れるようになった。別にお母さんと会話していないからといって、そこまで大きくダメージを受ける必要は無いと思った。もうすでに感覚が麻痺していたのかも。
やっとそう思うことができたのは8歳になってからだった。
8歳のまだまだ幼い女の子にこんなことを思わせるなんて、母親はどう思っているんだろう。
--- いつの間にか「お母さん」ではなく「母親」と呼ぶようになってしまっていた。 ---
でも、こんなに大きくなった今でも心のどこかで
「ねえ、言って。私に、私のためだけに、大好きだよって。言ってよ。ねぇ構ってよ。もっと愛情が欲しいよ。お願い、お願い、。」
そう叫んでいる気がして、そういう自分が嫌で、醜くて、大嫌い。
他人のことも大嫌い。誰も信じることはできない。
自分の母親のせいで人間不信になることなんてあるんだな、笑える。
だから自分は誰からも好かれないんだな。と、時々ぼんやり思う。
そんな事を考えながら今日の学校が終わった。
今日も毎日が憂鬱だ。
初めまして!!|桜 凜梨《さくら りり》と申します!
元々趣味で小説を書いていただけなので至らないところだらけだと思いますが、読んでいただき誠に光栄です!
シリーズとなっていますので応援のほどどうぞよろしくお願い致します。
さて、次回は「⒉ 初めての出会い」です!
苦しい過去を抱えた主人公「優好」。この子に新たな出会いが…!
乱暴だけど優しいあいつとまさかの発展!?
次回をお楽しみに!!!