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「佐藤」両片思い
リクエストありがとうございます!
僕は、同じクラスの佐藤さんが好きです。
僕も佐藤です。日本って佐藤多いですもんね。
ただ、僕は佐藤悠太で彼女は佐藤由良である事、そして彼女はかっこよくて憧れの存在なのに僕はいつまで経っても弱虫____そんな、大きな違いがあります。
でも、僕には大きな強みがあります。それは……
「佐藤 悠太である事」です。僕の下の名前は「ゆ」から始まって、由良さんも「ゆ」から始まる。つまり必然的に学校では席が前後になって、その分話しかけられるんです。
でも、やっぱり、難しい。
登校してきて、ただ後ろの席を振り返って佐藤さんに「おはよう」と言う、それだけのことなのに、僕にはどうしても出来ない……
でも、佐藤さんはそんな僕にもいつも話しかけてくれる。
その時の佐藤さんの笑顔は本当にかっこよくて、そして素敵なんです。
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私は同じクラスの佐藤くんが好きです。でも私も佐藤。紛らわしいなあ。
佐藤くんは前の席に座っている物静かな男の子。人に自分から話しかけることは滅多に無いけど、凄く聞き上手だし、なによりも優しい。
後ろの席に座っているというのもあって、頻繁に私は佐藤くんを観察していたけれど、日々の行動の中に何気ない思いやりが混じっているような人なんだ。
私は陸上部に所属していて、毎日これでもかというほど走らされてる。夏場もお構いなしで、特に暑いある日、私は熱中症寸前で練習後しばらく木陰で休んでた。
水はちゃんと飲んで休憩を取ったけれど暫くは怠さが抜けなくて、そのまま休んでいたら、まさかの佐藤くんが、初めてあっちから話しかけてきて。
「……大丈夫……?保健室、行った方が良さそう?」って。
凄く驚いたけど、同じくらい嬉しくて、「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう!」って言った時の少し安心したような、はにかんだ感じの佐藤くんの顔が直視出来なかった。
あれ、そういえば佐藤くんって帰宅部だったよな、って思って聞いてみたら、まさかの美化委員会所属が発覚。花壇の手入れをしていた所から、態々ここまでやってきてくれたみたいで。
その時から、なんとなく「特別な存在」として、佐藤くんは私の中に居座り続け、それは「好き」なのだと自覚するのに時間はかからなかった。
教室では、よく佐藤くんの背中を見ている。私は佐藤 「ゆら」だから。基本的にクラスさえ同じなら、席は名簿で並ぶから、後ろの席でいられる。
その背中に向かって、今日も話しかける。どうしたらもっと仲良くなれるかを頭の片隅で考えながら。
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今日も、佐藤さんはまぶしい。
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今日も、佐藤くんは素敵だ。
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--- 好き ---
二人がお互いの気持ちに気づくのも、そう遠くはない。
リクエストありがとうございます!すごく微妙な匂わせで終わってしまいました…思ってたのと違ったらごめんなさい!
今更リクエストの募集を始めたので、これ書いて欲しいなーってあったらどうぞリクエストしてほしいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!!
ばいびる〜