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♪走馬灯
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しの(♀️)
21歳
こと(♂️)
22歳
「おい、、嘘だろ?」
ことはたまたま見たネットニュースの内容をしのにLINEで伝える。
ナフーニュースだから本当だろう。
--- **地球上の人類が滅亡する。あと、二時間。** ---
しのから返信が来た。
「私、どうせ滅亡するとしても、しないとしても
そのうち死ぬから関係ないよ。」
そう。彼女のしのは「黒身病(こくしんびょう)」という、
体が腐っていく病に見舞われてしまった。
電話をかける。なあ、しの。
今からどこかに出かけないか?
「こと..最期なんだね。これ、、」
彼女はおそらく信じれていない。彼女は俺より一歳年下だ。無理もないだろう。
「フラフラだよ。」
「あと、こと、もう私実は歩けない。」
「え?」
電話越しでも分かった。彼女は
元気にふるまっていた。そのためか俺に病気の進行具合なんて、定期的には伝えなかった。
涙をこらえて、必死に伝えているのはとんちんかんな俺でも分かる。
「じゃあ、、、せめて二人一緒にお父様、お母様な所へ向かおうよ。」
彼女も俺も、父や母は数年前に終戦を迎えた
|十図真戦争《とずませんそう》ゲリラ攻撃にて、命を落とした。
残り一時間。世間は大騒ぎだ。殺人事件が起こったり、
街中で泣きぐずれている人もいる。ビルから飛び降りて、二次災害も起きている。
「しの、ついたよ。」
「こと..くん」
彼女は抱き着いた。きっと、面会は俺しかできないから、
すごく寂しかったんだろう。
「ねえ、私、ホントに死んじゃうの?まだ生きたいよ。」
「俺もだよ。だけどな..しの...世界は残酷だよ。」
しのは病室から窓の外を見る。普段では絶対見れない真っ赤な空。
上空には大きな隕石。
ただ、スピードはゆっくりだからまだ落ちてこないみたい。
「なあ、しの」
「ん?どうしたの..こと..」
「ホントに最期に会う人が俺でよかったのか?」
「何言ってるの..こと」
「あんたが寄り添って、一緒にいてくれてるから生きてるんでしょ..w」
しのは笑った。
笑ったり、最期の思い出話に花を咲かせているうちに、
隕石は地面スレスレに迫っていた。
「ああ、もう終わりなんだね。こと」
「そうみたいだね。」
--- **今まで、ありがとう。** ---
2089/8/31/16:29/世界の人類は一人残らず、途絶えた。
10000年後、いつか。また、この世界に再び花を咲かせるための休息時間が
地球にはやってきたらしい。
よきなのができますた!!!!!
この曲は暗めだからくら~くしてみた。だけど、どこか花のように明るく。