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勇者ザルクと御一行。信じない、許さない、救わない。00
異世界系が書きたくなって始めました!
勇者ザルクは、小さな集落に向かった。ここに出る魔物を退治しに来たのだ。しばらく歩いていると、その魔物は姿を現す。何本も触手の生えていて紫っぽい黒で、ドロドロしていた。黄色い目がギロリとザルクを睨みつけた。ザルクはその魔物に剣を構えた。触手の攻撃をザルクは避ける。このタイプの魔物はザルクが苦手とするものだった。案の定、ザルクは攻撃出来ずにひたすら避けていた。
「勇者さま、私は魔法使いです!手伝いましょうか?」
女の声がして、ザルクは振り返った。
「不要だ。俺は協力が苦手なんだ。」
「勇者さま、後ろ!」
ザルクの足に、触手の内の一本が突き刺さっていた。熱い、と思った次の瞬間には、感覚が消えた。骨の折れる乾いた音が、嫌に鮮明に響く。自分の音だとは、思いたくなかった。
「......っ!」
叫びそうになるのを、必死に堪えた。身動きが取れないザルクに、二本目の触手は容赦なく向かう。だからこのタイプは嫌いなんだ。
「勇者さま、すみません。流石に手を出させていただきます。」
女は杖を構えて魔法を使った。触手を切って、魔物を倒した。
「おい、女。何故手を出した。」
「勇者さまが死んでしまうからです。」
「俺とあいつの戦いだ、手を出すな。」
ザルクが争っていると、また違った第三者の声がした。
「うるさいな、この子が眠れないじゃん。」
ザルクより少し下ぐらいの僧侶の青年が、狼の毛並みをなでなから言う。
「狼のことなんか知らない、俺はこの娘と話しているんだ。」
「いいから黙っとけ、アホ勇者。」
青年はこっちに近づくと、さっき触手の刺さった足を、回復魔法で直そうとする。
「俺に構うな、馬鹿僧侶。」
僧侶の青年は、ザルクの頬を叩いた。
「お前のためじゃねーよ。この子が心配してたから直すんだ。」
青年は処置を終えると、去って行こうとした。
「あの、勇者さま、僧侶さま。名前を教えてください。」
少しの沈黙があった後、二人は答えた。
「...勇者ザルクだ。」
「僧侶ガイン。気が済んだか?」
「私は魔法使いセリスです。」
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この三人が共に冒険に出るとは、まだ誰も思っていなかった。