公開中
#3 調査
調査を進めている間、いろんなことがわかった。
ドラえもんはどらやきが好き。ドラミちゃんはメロンパンが好き。このうちは貧乏で、その貧乏の要因であるのび太をしっかりさせるために、過去に戻った。今はのび太を世話する役目を終え、スローライフを送っているという。
のび太は死んでいるのかと聞いたら、「そうではないよ」という。どうやら、「のび太くんは大人になったからね、もう僕は必要ないんだ」とどこか寂しそうに言った。
彼らは、ロボット、自分自身についてどう思っているんだろう。そう聞くのはまだ早い気がする。
---
ツー、ツー、という音の後、「ハルテ」という父さんの声が聞こえた。
わたしたちロボットは、脳内に電話機能が組み込まれている。脳内で父の電話番号を探し、かける。
〝おー、ハルテ。どう、順調か?〟
「まあ、そこそこって感じ。地球にロボットも確認できたわ。|当時《歴史が改変された時》はロボットなんて全然普及してなかったみたい、って文献に書かれてたけど。その文献によると、その時、人工知能や仕事用ロボットはあったみたい。でも、自分で考え、感情を持つ、人間と同じようなロボットは存在してなかったみたい」
〝そうか、それは興味深いね。誰だったっけ、あの、どら…みたいな〟
「ドラえもん、ね。今、ドラえもんのいるマンションにいるわ。もうのび太っていう子を世話する役目を終えて、スローライフを楽しんでるみたい。いろんな道具を持っているのよ」
〝そうなんだ。じゃあ、その道具でタイムワープしてみたらどうだ?ロボットの歴史について、メカトピアと違うところがわかるはず。そしたら、また違う勉強にもなるだろう〟
「確かに、そうね。でも、リルルの技術がどこから来たのか、わたしは地球だと思うの。だから、メカトピアと地球が、それ以前に人間と交流があったのかを調べたい。あと、地球とメカトピアでは、自身がロボットであるということを、どんなふうに捉えているのかも調べたいわね。うう、いっぱい調べたいことがあるわ」
〝じゃあ、一度帰ったらいろいろと整理して、また地球へ戻るのもいいと思う〟
「本当?わかったわ。きょうのところはこれで終わるわ」
そう言って、わたしはプツリと電話を切った。
ハルテの見た目→https://picrew.me/ja/image_maker/2108449/complete?cd=lyfqSIbXrw