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Prologue
*とある日、どこかの部屋にて*
「ねー、このゲーム抜け穴しかないじゃん」
「それがいいんだよ、ていうかこれは僕の担当箇所でしょ?」
「だから言ってるの。せめて【????】は【??と????】にしないと無理やり突破されるよ」
「それは⋯⋯、そうだね。対応するよ」
晴れた日の朝、二人の女性がパソコンとにらめっこしながら軽い言い合いをしていた。
カチャと軽快な音を響かせながら、背が高く痩せ気味の男性が声をかける。
「ゲーム開始日が六月一日だよね、間に合うの?」
「蓮はいいよな、全部完成してて」
「二人とは違うから」
「【加速】させた銃弾ならいくらでも浴びせるよ?」
「ああ怖い怖い、ごめんってば」
「清美、今は現実世界だからね? |仮想空間《バーチャル》から戻ってきて」
「わかってるって。二人とも真面目だなぁ、ここで【加速】できないことくらいわかる」
「だって清美だからさ。ここが|仮想空間《バーチャル》だって思ってるかもだし」
「馬鹿にしすぎでしょ」
「そんなことないもーん! ね、蓮?」
肯定を促された彼は気まずそうに目をそらした。その視線の先には、びっしりとマーカーが引かれたカレンダー。「残り一週間!」と書かれたそれには、「さっさと作業しろ」という圧さえも感じる。その圧さえも彼には関係がないのだが。
スマホ、財布、飲み物や軽食をカバンにつめたところで清美が声を上げる。
「今日はこの辺にしとく、明日は予定あるし」
「僕も行きたかったんだよねー。オタクたちの聖地、だっけ?」
「そそ。新作やら名作やらが集まるからね、ゲーマーとしては見逃せない」
圧倒的に進捗皆無な彼女がふらふら遊んでもいいか、と問われたら首を横に振らざるを得ない。ただ、二人は趣味にケチをつけるような性格でもない。
「ふたりとも。俺はそろそろ行くからよろしくね」
「あいよ、蓮はたっぷり頭働かせておいで」
「脱出ゲーム行くんだよね? おみやげ買ってきてね、蓮!」
「―――結局はそれ目当てなんだね」
どこか乾いた笑いを浮かべながら、部屋の外へと駆け出していく。普段の彼を見ている者には想像しきれないであろう機敏な動きで、バイクに飛び乗る。
「あの性格でバイクが好きってギャップだよね」
「わかるー、でも蓮は僕のものだから」
「は? 私のだし? 付き合ってたし? お前には負けないよ」
本来なら、二人は一時休戦してゲームを作っている。ただ、真面目に仕事をするような人間なら、こんなところにはいないだろう。
「ほら、さっさと終わらせよう。チェックもしないとだし」
「えーまだ大丈夫だよー、お昼寝したーい」
「それなら招待状だけ送らない? |参加者《プレイヤー》集めたまま放置しちゃってるし」
「んー、それだけだよー?」
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*おめでとうございます。あなたはゲームの参加者として認証されました。*
*今回のゲームは皆様の精神力や発想力など、戦闘力以外も評価させていただきます。*
*なお、当日は必ず手ぶらで会場までいらっしゃってください。*
*「ゲームは誇り高きもの」 そんな方々が集まることを期待しています。*