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#11
放課後の図書室、いつもの最奥棚
「……っ、九郎、やめてってば! 誰か来たらどうするの!」
はじめは真っ赤な顔で、自分を本棚に押し付けてくる九郎の胸元を押し返していた。
テスト期間が終わって気が緩んだのか、今日の九郎はいつもより強引。
はじめのポニーテールを指でくるくると弄びながら、耳元で低く囁く。
「いいじゃん、誰もいないし。……それとも、また重森が来るとでも思ってんの?」
「だって、最近ずっと視線を感じるもん! 絶対目つけられてるよ……っ」
「……ふーん。じゃあ、見つかる前にさっさと『お礼』、済ませちゃおうぜ」
九郎が意地悪く笑って、はじめの顎をクイッと持ち上げた。
昨日よりも、もっと深くて甘いキスをしようと顔を近づけた、その時。
「貴様らぁぁぁーーー!!! 何をしているッ!!!
地鳴りのような怒号と共に、本棚の隙間から重森先生が般若のような形相で飛び出してきた!
「ひゃああああっ! 重森先生!?」
はじめは腰を抜かして床にヘナヘナと座り込んでしまう、
「やはりな! 勉強にかこつけて不純異性交遊に耽っておるとは! けしからん、言語道断だ! 今すぐ職員室へ来い! 親も呼び出しだ!」
重森先生の顔は怒りで真っ赤。差し棒をビシバシとはじめの目の前で振り回す。
絶体絶命。はじめが涙目になって九郎を見上げると、九郎は……なんと、フッと鼻で笑った。
「……先生、声デカすぎ。ここ、図書室ですよ? 『静かに』ってルール、忘れたんですか?」
「な、ななな……何を抜かすか! 貴様らの不純な行いの方が問題だ!」
九郎はゆっくりと立ち上がると、はじめの肩を抱き寄せ、重森先生を冷たく見下ろした。
「……不純? 好きな奴と一緒にいたいと思うのが、そんなにいけないことですか? 先生は人を好きになったこと、一度もないんですか?」
「そ、それは……! だが、校則というものが——」
「校則には『一生懸命恋をしてはいけない』なんて書いてませんよ。……。先生、そんなに怒ると血圧上がって倒れますよ。俺たちのことは放っておいて、早く職員室で茶でも飲んでてください」
九郎ははじめの耳元で
「……走るぞ」
とだけ囁くと、そのままはじめの手を引いて、驚愕で固まっている重森先生の脇をすり抜けた!
「ま、待て! 待ちなさーーーい!!」
背後から追いかけてくる足音。
二人は手を繋いだまま、誰もいない夕暮れの廊下を全力で駆け抜ける。
「……ははっ! 九郎、すごすぎるよ! 重森先生に言い返すなんて!」
「……っ、……うるせぇ。……。あいつ、マジでしつこいんだよ」
校門を飛び出し、重森先生の姿が見えなくなった頃。
九郎は荒い息をつきながら、はじめを街灯の影に引き寄せた。
「……。……あいつのせいで、さっきの続き、できなかっただろ」
九郎の瞳が、またあの「隠れドS」な色に変わる。
「……。……。家に帰るまでがデートだろ? ……続き、ここでやるから。目、閉じろ」
重森先生に追いかけられたドキドキが、今度は別の熱いドキドキに変わっていく。
投稿頻度がやばい
どうでもいいけど主はいま湊あくあさんの
#あくあ色ぱれっと
に激ハマりしている