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7話 誘拐
れるはもう失いたくないだけやのに、なんでまた失わなあかんの?教えてや。
もうこれ以上は望まへんから。なんで二人家に帰ってただけなのに、また
失わなあかんの?
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「ん…。」
私はジャラジャラと金属の擦れる音で目を覚ます。口にはガムテープがあり、
足も縛られている。お願いだよっ、れる君。助けてよ。
「んーっ!んーっ!」
必死に声を出す。お願いだから早くきてよ。わたしはれる君に願っていると
ギィィィィと重たい木の扉が開く音がする。
「起きた?おはよう!」
そう言いドゴッっとわたしの腹を蹴る。ケホッ…。私は血を吐く。
「可哀想に。」
そう声を漏らしドゴッボコッドゴッドガッボゴッ!強く殴りつける。
「痛がってるねぇwww」
そう笑っている。これは笑い事ではない。口から滲む血が酷く、フーッっと
息を漏らす。痛いよ痛いよ。やっぱり別れたほうが良かったんじゃないかなぁ。
もういっそ私のことを忘れてよ。
「はぁ。」
私は睨む。男は溜息をつく。
「こんなに馬鹿な娘は初めてだよ。」
男はそっとカッターを取り出す。それに私の顔にサーッと血の気が引く。
怖い、怖いよっ!れる君、我儘だけど、助けてほしいな。また、笑いたいから。
「泣いているの?優しく切ってあげるよ」
私は屈託なく笑う男を見る。手枷を外しスーッと腕を切る。昔虐められた時の
ように腕に痛みと血が広がる。ボトッ。血は床に広がり汚い紅い花を描く。
スーッ、ザクッ!
「!!」
私は目を見開く。手首には血まみれのカッターが刺さっている。そこから空気を
読まず血は流れる。
「その顔可愛いね!!」
嬉しくない!!れる君に言われなきゃ…。れる君、早くきてねっニコッ
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「ハァハァ!」
れるは1時間ほど走った。
「#名前#っ!」
れるは声を出す。寒さで震える手にそっと#名前#の手の温もりがあるはずなのに。
「何で…、守れんかったん?」
れるが悪いんや!れるが…、
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「トイレ行ってくるな!」
れるは#名前#から離れてしまった。その選択を間違えていた。れるがトイレから
帰った後には#名前#が消えていた。#名前#は紙を落としていた。紙には
「高来山倉庫に
すぐに来てね!
ケチャップをかけたオムライスでまってるよ!
手を繋いで歩きたいね!」
その文章がある。横には#名前#のキーホルダー。れるは駆け出した。
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「何で、誘拐したんですかっ!」
私は強い口調で問いただす。止血してもらっているがまだ痛む傷を抑え、
「何でれる君は来ないんですかっ!」
私はれる君に助けてって教えたよ?場所も。何もかも。
「れる君はねぇ、ハハハッ!」
「なら、」
私は気になることを尋ねる。
「名前を教えていただけないでしょうか。」
「俺はモブ谷モブ尾」
モブタニモブオ〈読み〉はそういう。そっと顔を見据える。
「君は俺のことを好きになーる♡君は俺のことを好きになーる♡」
なんか気色悪い言葉を唱えてる。そのまま私は眠った。
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「高来山倉庫?」
れるは昔の記憶を探る。たしかあそこは…、不思議な伝説がある。
そこに近寄ったものは一人残らず殺害されるが「人を守るため」、「強制」
ではなにも怒らない。そういう不思議な倉庫だ。れるは#名前#を守る
ために険しい山道を登る。足が痛い。目の前には大きな倉庫がある。
「ここかっ!?」
れるは倉庫の扉を開ける。そこに居たのは男とキスをする#名前#の姿
だった。
「#名前#…?」
れるは名前を呼ぶ。#名前#は振り返り
「こっち来ないで。モブ尾君と居るんだから。」
と言い鋭く睨みつけた。
「何で…、」
れるはポロポロ涙を流す。#名前#は一瞬だけ眉毛を下げ悲しむような気が
した。モブ尾はそっと#名前#の手を取る。嫌がる表情を見せるがすぐに
何処かへ行った。モブ尾はれるに近づきドゴッ!っと勢いよくお腹を蹴った。
「ゲホッ…、」二年ぶりに殴られ思わず涙が出た。
「ニゲテ…。」
#名前#は声を出す。辛そうな声だ。今すぐにでも抱きしめたい。でもモブ尾は
許さへんで!そう思いダッっと近づく。れるは元最強ヤンキー、グループは
StarLightPolaris、略してすたぽらの副リーダー、Reluやから。
しかし#名前#の首に刃物を向けた。#名前#は刃物恐怖症だ。
「カーヒューカーヒュー」
辛そうな息をする。れるはもう警察を呼んどる。
「警察だっ!」
モブ尾は諦め警察に包丁を投げた。そいつは捕まった。れるは#名前#を
強く抱きしめる。#名前#の目からは光が消え遠い空を見つめる。
「れ…、る君」
泣きながら言葉を言う。
「助けてくれてありがとうニコッ」
作り笑いと涙でグシャグシャになった顔をそっと撫でキスをする。
少し驚く#名前#に
「さっきの消毒♡」
と言い軽くからかった。
「可哀想に。」
のところ童磨にしか見えない…。1887文字!