公開中
私のお兄ちゃんは【国宝級イケメンアイドル】!?
ここなっつ
第6話:緊急招集!妹の彼氏条件判定会議
土曜日の夜。ラポネハウスの巨大なリビングに、異様な緊張感が漂っていた。
大きなテーブルを囲むのは、JO1とINIのメンバーたち。
「――よし、全員揃ったな」
JO1のリーダー・與那城奨が重々しく口を開く。その隣では、INIのリーダー・木村柾哉が腕を組んで真剣な面持ちで頷いた。
「今日の議題は一つ。ここなの『未来の彼氏の条件』についてだ」
「ちょっと待って、なんでそんな会議開かれてんの!?」
ソファの端っこで、私は思わず立ち上がって抗議した。しかし、お兄ちゃんたちの目は本気(マジ)だ。
「当たり前だろ、ここな」
JO1のプリンス・白岩瑠姫が、大真面目な顔で髪をかき上げる。
「ウチの可愛い妹をどこの馬の骨ともわからない男に渡せるわけないじゃん。まずは書類審査から始めないと」
「書類審査とかあるの!?」
「当たり前やん!」と参戦してきたのは、後藤威尊。「まず、挨拶がちゃんとできること。初対面で俺より綺麗な姿勢で一礼できへん奴は論外!」
「威尊くん、それ基準高すぎ」
藤牧京介がツッコミを入れつつも、「でも、歌が下手な奴はダメだな。ここなに聴かせる子守唄が音痴だったら俺が許さない」と、これまた独自の厳しすぎる基準を提示する。
「えー、そこ?」と笑う髙塚大夢が手を挙げた。
「俺は、ペットの気持ちが分かる優しい人がいいな。動物を大切にできない奴はここなも大切にできない!」
「大夢にぃの基準は可愛いから許す……」私が癒やされていると、隣から低音ボイスが響いた。
「……男なら、やっぱり力強さやろ」
金城碧海が、じっと拳を見つめながら呟く。
「俺と空手のスパーリングをして、3分間持ちこたえられたら第一関門突破や」
「それ彼氏死んじゃうから!!」
「まぁまぁ、みんな落ち着いて」
川尻蓮がふにゃっと柔らかく笑いながら、ホワイトボードにペンを走らせる。
「とりあえず、今のをまとめると……『姿勢が良くて、歌が上手くて、動物に優しくて、碧海より強い男』だね」
「そんなサイボーグみたいな完璧超人おらんわ!!」
松田迅が爆笑しながら突っ込むと、隣の佐野雄大が「じゃあさ、ゲームが強くて一緒に遊んでくれる人は?」と提案。すかさず川西拓実が「ゲームなら俺がいつでも相手したるから、彼氏にそのスキルは求めん。それより、美味しいご飯をいっぱい食べさせてくれる人がええなぁ」と、自分の好みを混ぜ始める。
すると、今まで静かに聞いていた西洸人が、ふっと鼻で笑った。
「お前ら、条件とか色々言ってるけどさ……結局、最後に決めるのはここなだから」
(お、洸人にぃ、さすが大人……!)と私が感動しかけた、その瞬間。
「まぁ、俺よりカッコよくて、俺よりオシャレで、俺より男気がある奴じゃないと、俺の前に連れてきた時点で威嚇するけどね」
「洸人くんが一番ヤクザみたいなこと言ってる!!」
池﨑理人が大口を開けて爆笑している。
「とにかく!」
柾哉にぃがパンッと手を叩いて、綺麗にまとめた。
「ここなを世界一幸せにできる自信があって、ここにいる22人全員の面接をクリアした男の人だけ、お付き合いを許可します!」
「「おーーー!!」」
リビングに響き渡る、22人の無駄に息の合った大歓声。
「……もう、私は一生独り身でいいです……」
私が遠い目をしながらココアをすすると、お兄ちゃんたちは口々に「それがいい!」「ずっとこの家にいな!」と大喜びし始めた。
世界一高すぎる彼氏のハードル。
でも、これだけたくさんの愛情(と、ちょっと面倒くさい過保護さ)に守られているなら、焦って彼氏を作る必要なんて、本当にないのかもしれない。
(第7話 へ続く)