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ろくろ首との戦闘
「ねえ、サニー。わたしを飛ばせてくれない?」
「まずいよ、姉さん。これはちょっとなぁ」
わたし・サニーはちょっとためらった。
わたしは今飛んでいるのだけれど、これは小さな竜巻を浮かべて、その竜巻の上にバランスをとって乗っているだけ。姉さんはバランス悪いし…
「じゃ、この雲に捕まって。天符『天象の吟遊詩人 灰色の雲』」
「あー、楽だわ。ありがと、サニー」
ふぅ、この姉さんは楽したがるんだから。
「やんばりやんばり、大ろくろ首様のお出ましじゃあーっ」
「あ、丈六喜楽里」
こんな雑魚敵が、わたしの前に来るなんてね。プルルル、と通信機能が鳴った。
〝こちら、チリコンカンに遭遇〟
「あら、そうなの。サニーとわたしは今、丈六喜楽里と戦っているわ」
〝奇遇ですね!わたしと花音様は、一本木ゆりゑさんと戦ってます〟
チリコンカンは雑魚の三妖精、ゆりゑは顔無しお化けだ。
通信機能を切って、喜楽里を睨む。
「ったく、こんな雑魚敵に1厘分だってかけられないわ」
「1厘…?」
姉さんは時々、こういうことを言うんだよなぁ。
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「お前らはー、サニーとー、ムーンだなーっ」
「ええ、そうよ?さっそく、1厘分でキメさせてもらうわ。サニー、わたしは下がるから、秘技解除してくれる?」
「オッケー、姉さん。解除『天象の吟遊詩人 灰色の雲』」
姉さんはふんわりと地上に降り立つ。
わたしは接近戦で勝負をかけることにした。
「いくよっ!!天府『天象の吟遊詩人 警戒の雷』」
ゴロゴロゴロッと、黒雲が立ち込めてきて、雷が落ちる。
「星符『夜空の魔法姫 ミッドナイト・シールド』」
紺色でできた薄い膜がわたしを包む。姉さんの秘技だ。ちなみに、多少の反撃機能も合わせている。
「じゃー、こっちもーっ。首符ー『舞桜連撃』ーっ」
「っ!!」
しまった、連撃は聞いてないっ…!!
「星符『夜空の魔法姫 スター・サファイア・アタックッ!!』」
「あーっ!?」
姉さんっ!?
「やーらーれーたーっ」
あの秘技を受けたらちょっとやばかったかも。威力が低い連撃でしょ?反撃機能は高火力のやつにしか効かないから。
「もう、サニー、危ないわよ」
「ごめん、姉さん」
「だいたい、あの警戒の雷?とかいうやつ、ろくに役立ってないじゃない」
「はっ!?」
ひ、ひどいっ。
「次行くよ、姉さん!」
「はいはい」
ったく、姉さんはひどいんだから。