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青春ドタバタ入れ替わり劇 一話
ゲタ吉と目玉親父の身体が入れ替わる話
ギャグ
何話かに分けます
「ふあーぁ…おはようございます、父さん…」
「おお、お早う鬼太郎」
父さんはいつも早起きで、俺が起きる頃には大抵起きている。俺は茶碗にお湯を注ぎ、父さんの茶碗風呂を用意してやる。湯気が温かく立ち昇り、全くもって平和ないつもの朝だ。父さんが嬉々として茶碗に滑り込んだその時。
どしんと大きな音がして、天井から何かが落ちてきた。
「なんだァ!?」
落ちてきたそれは、腰を摩りながら立ち上がった。
「いてて…」
オレンジの肌に緑の目をしたthe・妖怪という見た目をしているそいつは…
「えっと…どちら様?」
「よう!俺はゴツゴウ!オタクの夢を叶える妖怪だぜ!」
「はぁ…?」
いきなり明るく自己紹介し出したけど、半分以上よく分からない。オタク?夢を叶える?何言ってんだコイツ。
なんか不法侵入っぽいし、ちゃちゃっと指鉄砲でしちゃおうかな。いやでも一応話は聞いとくか?
「あー待て待て処そうとするな!俺はな、オタクの夢を叶えに来たんだよ!」
「何を言っとるんじゃお主は!人様の家に勝手に上がり込んで!」
父さんがぽちゃぽちゃと湯船を揺らして憤慨する。
「ふふふ…心配しなくても要件はすぐ済むからよぉ…」
ゴツゴウはゆらりと手を上げた。俺は咄嗟に身構える。
ゴツゴウは高笑いしながら手を高く掲げた。その手から光が噴射して。
「ウワー眩しかった…何だよもう…」
「き、鬼太郎!」
誰かの焦った声。何だかやけに視界が低いし、周囲の物が以上に大きい。
ていうかこの声…俺の?
「鬼太郎!」
もう一度俺の声がして、自分の顔に覗き込まれた。
……いや、うん?
状況に全くついていけない。だって自分に見つめられているのだ。
「鬼太郎、大丈夫か?ゴツゴウは逃げたようじゃ。逃げ足だけはすばしこい奴じゃのう」
この喋り方、父さんか?でも目の前にあるのは紛れもなく俺の顔だ。
「え、えっと…」
喋ろうとして自分の声の違和感に気づく。この声は父さんのそれだ。
薄々気づいていた嫌な予感が、はっきりと確信に変わる。
「もしかしなくても俺たち…」
「うむ、入れ替わっておるな」
「ウワァ…」
こりゃ面倒なことになったぞ…