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第七話:お祭りにっ!
射撃の店主の事件は少し騒がしくなったが…直ぐに落ち着き、私は祭り場とは少し離れた場所で正座させられていた。
多分、さっきの店でのことだろうが…正直自分でも、どうしてあんなことをしたのか分らない。
気が付いたら、その言葉が出ていたというか…なんていえばいいのか分からないがそんな感じだ。
だから、決して…決して自分の意思で言ったわけじゃないし…本当だよ?
今にも叱りそうな二人じゃない誰かに弁明をしてみたが…。
結局、この状況は変わらないのだろう。
そりゃ本人達に言わないと変わらないか…あっはっは…。
「で、賢いこのは様なら分りますよね」
「はい、分ってます。怒っている理由も…怒られる理由も…」
口を開いたのは棗だったが…想像以上に圧がすごい。
例えるなら、蛇に睨まれる蛙のような感覚だ。
上も左右も後ろにも逃げ場があるはずなのに逃げる事ができない…。
そんな感じだ。
「では、何故そんなことをしたのか弁明を聞かせていただきましょう」
「えっと…それは、自分でも分からないっていうか…」
「…はい、それで?」
「そ、それで?…っと、ごめんなさい…」
「具体的に何に対して謝り、その謝罪から次にどうするのですか?」
えー、具体的に?
「何か不満でも?」
「いいえ、何もございません!」
具体的にか…うーん…。
「まず、さっきの射的の事について謝罪させていただきます…で、今後ないように以後気を付けて行きます」
「気を付けて行きますじゃあ、だめだろ?」
私が典型的な謝罪言葉を並べて話すとフミが突っ込んできた。
今まで、喋って無かったから味方だと思ったのに…
「フミ!なんで、なんでそっち側なの!」
「当たり前だろ!?」
「うぅ、二人が怖いよ…」
被害者っぽく言ってみたが、正直無理があったかもしれない。
棗の圧が少し強くなったような気がする。
気のせいだといいんだけど…。
「はぁ、まぁ今回は大事には至らなかったので良しとしましょう」
流石に、初めてだったからか棗が折れて早めに終わる事となった。
正直、ほっとしたと言う事はここだけの話だ。
「ただし、次やったら覚えておいてくださいね?」
どうやら、ほっとはできないようだ…。
いや、まぁ…これからは本当に気を付けよう。
しばらくして、お祭りをもう一度楽しもうと言う事になりまた屋台巡りをすることにした。
流石に、あんなことがあった後だったため全員お腹が空いたとのことでまずは食事を取ろうということとなった。
「らっしゃい!魔帝国名物ソウルイーターの天ぷらにベヒモス肉の焼きそば!他にもいっぱいあるよー!」
そうるいーたー?べひもす?
なんだそれ…なんかのモンスターだったりするのか?
その疑問を解消しようとフミの方を見ると…物凄く涎を垂らした彼女がいた。
普段見ることのない彼女の顔に少し驚き棗のほうを見ると…こちらも、涎こそ垂らしていないが食べたそうな表情をしていた。
「えっと、じゃああそこで食べる?」
「はい、そうしましょう」
「あぁ、あそこがいいな」
どうやら、二人ともあそこで食べたいようだ。
私としてはあのソウルイーターっていうのとベヒモスが何なのか分らないから正直微妙な気持ちだが試してみないことには美味しさも分からないので試してみることにした。
正直に言うと、二人の反応から別のものにしようとは言えなかった。
「はい、おまちどうさん。ベヒモス肉の焼きそば3つにソウルイーターの天ぷら3つそして天雨クラゲのレモネードだよ」
「ありがとう!」
始めにベヒモス肉の焼きそばに手を付けた。
ベヒモス肉はなんというか牛肉焼きそば的な感じの物だ。
味は、臭みがなく濃い目のソースが下の上に広がる。
そして、ベヒモス肉は柔らかいがしっかりと歯ごたえがあり噛めば噛むほど旨味が溢れだしてくる。
そして、肉の旨味と濃い目のソースが絡んだ麺はもちもちで喉の奥まで味が広がった。
「!!!」
言葉にあらせない美味しさに私は目を輝かせながら食べ進めあっという間に焼きそばは食べ終わってしまった。
聞きなれない食べ物だったが…正直とっても美味しかった。
次に、ソールイーターの天ぷらを口に入れるとサクッという食感と同時に身体を包むような寒気が襲ってきた。
しかし、不快という程ではなく逆に人の熱で暑かった身体に涼しい風がふわっと冷やしてくれたような感じだ。
熱々サクサクの天ぷらを齧れば冷っと風が吹く。
食べ過ぎたら流石に寒くなりそうなので一先ず天雨クラゲのレモネードを飲むことにした。
クラゲの毒なのか一口飲むと舌がピリッと痛みその後にレモンの爽やかさが口を洗い流した。
解毒剤が入っているのかそもそも、ピリッとした痛みは毒ではなかったのか気持ち悪さも違和感も感じなかった。
逆に、ピリッとした痛みがこの飲み物の個性なのか痛みがないように頑張って飲んでみると美味しさが半減した気がして首をかしげてしまった。
「ふぅ、美味しかったぁ~」
フミと棗を見ると二人とも満足そうな顔をしていた。
「そういえば、棗…」
「はい、なんでしょうか?」
「ベヒモス肉とそうるいーたー?と天雨クラゲってなんだったの?」
「あれは魔物ですよ?」
私が、食べる前から知りたかったことを質問すると間も開けず直ぐに答えてくれた。
ただ、私は質問をしたことを後悔した。
本当に申し訳ございません。
先週出した気でいた小説…投稿デッキていませんでした。
なので、今週は二つとなります。
重ね重ねお詫び申し上げます。