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いったん魔王を倒しに。 1
「母さん、私旅に出るよ」
「はあ? 急に何を言うの」
私はリリカ。
パン屋の娘だ。
この世界は魔王に支配されており、そこら中に魔族の番人がいる。
そんな世界は窮屈だし、人間は迫害されてばかりで、一日何人も犠牲者が出ている。
魔族は人間を食べるんだよね。
運のよいことにまだこの村は被害が少ないが、いつ襲われるかわからない。
私はこの村を守るため──いや、自分が魔族から逃げようとしているだけかもしれない──に、冒険に出ることにしたのだ。
と、そういうことを母親に言うと、「やめなさい、絶対」と即答された。
「……もうこの世界は魔族に支配される運命なのよ」
「そんなことないって」
私がそういうと、「馬鹿垂れ!」と母親は怒鳴りつけてきた。
「もし、それでアンタが怪我でもしたらどうするつもりなの?」
「知らないよ。それはもう人間を守るためになくなった尊い盾だと思って」
「なんちゅうこというの」
「別にいいじゃん。私がそう思うだけだよ」
私がそういうと、母親は「勝手にしなさい。ただ死なないでね」と言った。
「いや、わかんないけど。努力するね」
「まったくやなやつだ……」
母親はそういうと、家の奥まで行って、パンを焼き始めた。
「じゃ、ばいばい」
私の声には何も言わなかったが、心なしか鼻をすする音が聞こえたような気がする。
新作かきました~。
まじで私は小さい頃から(?)自分で言語を作るのが夢だったので、めちゃはっぴーでわくわくです!
これからもよろしくお願いします!