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Q3:苦しいと思うことが
ワンダショのいじめネタ3話です!!苦手な方はブラウザバック願います。よろしくお願いします。
誤字脱字ありましたらすみません…!
朝、目が覚めた。
締め切ったカーテンを開けるときらきらした朝日が部屋いっぱいに差し込んできた。
「う…まぶし…」
昨日夜遅くまでやっていたゲームの音が脳内再生される。寝ている自分のすぐ横にゲーム機があった。
「寝落ちしてたの…わたし…」
重い体を起こしてリビングに向かう。朝ごはんのいい匂い。今日も頑張ろうかなと思えた。
「お母さん、おはよう」
「おはよう。朝ごはん食べるのよ」
わたしは母の作ってくれた朝ごはんを食べた。
食べ終えて、身支度を整えて、行きたくない学校に走って行った。
走らないとだめなのだ。はやく行かなきゃだめなのだ。
早く学校に行って準備しなきゃ。もう類は学校に行って作戦を考えてる。早くそれを受け取らないと。
階段を走って登って急いで教室の扉を開ける。
「類!!」
「おはよう、寧々」
「ごめん、昨日ついゲームやってて…」
「ふふ、寧々のことだからそんなものだと思っていたよ」
類はすっごく優しそうに微笑んでいた。
「じゃあ寧々、これ」
類のさっきの笑顔はなくなった。申し訳無さそうな顔をしていて、その目は曇っていた。
「うん、ありがと…」
その作戦書は
――いじめの作戦書。
ある生徒をいじめるための作戦書である。
わたし達のいじめは、なんとわたしと類の二人だけの体制で作戦班の類と実行|班《犯》のわたしで別れている。
二人しか居ない上に実行犯はわたしなので、朝早く、ターゲットが来る前に学校に行かなきゃいけないのだ。
ターゲットが来る前に準備を完璧にして、朝から堕とす。
この方法は、あの人がだいぶ気に入っている。わたし達が逃げる道なのだ。
「すまないね、寧々。いつもやらせてしまって…」
「こんなこと考えてる方がSAN値削られて精神不安定になるでしょ。謝らないで」
「寧々は優しいね」
「そんなことないから」
いつも類はわたしに謝る。謝らないでよ。こうでもしないとわたしと類は…。
あまり悪いことは考えないでおこう。今日の朝の作戦書を見てみる。
・上履きに画鋲
・チョークの粉
なるほど、これを使えばいいわけね。
朝の作戦を考えるのは類としても楽らしい。他のクラスメートを巻き込む必要が他より少ないからだ。
よし、じゃあまずは上履きに画鋲を用意してこなくっちゃ。
わたしはランドセルから画鋲の箱を取り出す。わたしのランドセルにはいじめに使える道具が幾分か揃っているのだ。
画鋲を取り出して、昇降口まで降りる。昇降口まで降りたらターゲットの上履きに《《上向き》》に綺麗に画鋲を並べる。気づかれないといいけど…。
でもあのターゲット、いつも朝疲れてる感じで目から生気を感じないからきっと考えるほどの余裕もないだろう。――と、前類は言っていた。
類は観察力と洞察力に優れているのでその言葉を信じてこの計画を実行している。
画鋲上履きを用意できたら次は教室に戻ってチョークの粉があるか確認しなくちゃ。
急いで階段を登って黒板の|粉受《こなうけ》の下についているチョークの粉が溜まってるボックスを確認する。よし、ちゃんとチョークの粉が溜まってる。捨てられてない。
黒板消しの裏も確認する。こっちも大丈夫、掃除されていない。
ああ、わたしのクラスの掃除が雑でたすかるような助からないような。
よし、頭の中に構図は出来上がった。これをターゲットが来たときに実行するだけだ。
幼なじみの目が曇る。わたしの目もきっと曇っている。これから起こることを想像したくない。
これから「起こす」ことを想像したくない。
ああ…聞こえてきてしまった。人の足音。
まっすぐこっちに向かってる。ドアの前で少し止まった。
もうわたしも類も、
――もうお互いがお互いじゃなくならなきゃいけない時になってしまう。
ガラッ
わたしは《《司》》の前に立った。予め持っていた、チョークの粉まみれの鉄の箱を相手の頭に向かって投げる。黒板消しを思い切り叩く。相手に投げつける。
たちまちあたりはチョークの粉まみれで息を吸うと粉が気管に入って咳が出る。
「や、めて、く…れ…!」
相手が言った。
そんなこと言わないで。言ったらわたし、もう、嘘しかつけないから…!
「あははは!へえ、こんなので苦しくなっちゃうんだ。弱いんだね。わたしは平気だよ」
全然平気じゃなかった、苦しかった。つらかった。助けてよ…!
前回より長くなってしまいました!ごめんなさい土下座
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!!!!
テスト終わったので久しぶりの更新です…!
次回もよろしくお願いいたします!