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君には言えない秘密(1)
大好きな君とつきあえた。
"君には言えない秘密"を抱えていることを君はまだ知らない-。
「|蘭奈《らな》って子小さい頃にお父さんが亡くなってるんだって。」
『え。かわいそう。』
「だよね。」
お父さん生きててほしかったけど。他人が口出さないで。
「あいつうざくない?」
『あー。蘭奈ちゃん?』
「そそ。先生の前だけ良い子ぶって。」
良い子ぶってない。これが私の元の性格。
「蘭奈ちゃんめっちゃ勉強熱心だよね。」
『それな!めちゃ頭良いよね!今度教えて貰お!』
「それ良いね!そんとき私も教えて貰う!」
嬉しいけど。勉強を教えて貰うために仲良くなられるのはちょっと嫌。
「ねえ知ってる?蘭奈ちゃん琥珀とつきあってるらしいよ」
『やっぱり?琥珀とめっちゃ距離近いと思ってたら。』
「だよね!琥珀のこと好きな女子がどれだけいるか分かってんのかな。」
琥珀とはつきあってない。ただの幼馴染みだからどうしても距離が近くなっちゃうだけ。別に好きな人居るし。
色々な話が嫌でも耳に入ってくる。
みんなが想像してる私はお父さんが居なくてかわいそうで先生の前で良い子ぶってて勉強ができて琥珀とつきあってる私。
だけど私はみんなが想像してる私じゃない。