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3〜異変〜
さんわです
私は、注意深く「それ」に近づく。
こんなの、絶対近づいちゃやばいやつだ。
でも…でも…
好奇心が少しだけ、私の中で勝っていた。
(廃山荘に探検に来たんだし、こんなイベントも楽しみの一つじゃん。)
悍ましい物体を前にそんな事を考えている自分に驚きさえもしたが、お陰で冷静にそれを観察することができた。
「ねえ、玲…どう?」
沙耶香が恐る恐る聴いてきた。私は答える。
「多分ね………
これ、猫の死体。ここで死んじゃってそのまま腐った…んだと思う。」
「なんだ、猫かあ〜」
急に場の緊張がほぐれ、吉田先輩も撮影を再開した。
「猫が死んでたみたいでーす、っと、
え……あ、あ…………………………っ………………………」
急に、吉田先輩が黙り込んだ。カメラを構えたまま、ぼーっと全く関係の無い一点を見つめて、でも、その瞳は恐怖で見開かれていた。
そして、ずるずるとその場にへたり込んでしまう。
「だ、大丈夫っ!?」
慌てて近くにいた峰先輩が駆け寄り、背中を支える。
再び緊張が走り、羽田さんは顔を真っ青にしている。爽屋も、沙耶香も、もちろん私も、固唾を飲んで吉田先輩を見つめる。
「何か言ってみて、お願い。
大丈夫?調子悪い?…それとも、何かいたの…?」
峰先輩が問いかける。
吉田先輩はゆっくりと目線を上げ、何回か目を瞬いてから、辺りをきょときょとと見回し…
ゆっくりと口をひらいた。
「いや、なんでもない」
「「「なんやねん!!」」」
はい、今回はちょっと短めに終わった、かなー
猫ちゃんかわいそう
ばいびる〜