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夏夜のセレナーデ
小夜曲、夕べに歌う恋の歌と聞きました!!!!!!(((((窓も部屋も無いが。
夕べ…夕方…逢魔ヶ時…
逢魔ヶ時は人ならざるものに出会う時間らしいです((
そんな逢魔ヶ時と小夜曲をテーマにしました
ふっ…右手が疼くぜ(((
なにかと少女が踊る話です、よければ最後まで見てくださいな
「縲?縺は、夢を見たことがある?」
夕べ、荒れ果てたあばら家の縁側に座りこむ二人
仲睦まじく語を交わすその姿。少女の和やかな笑顔。
「そうなんだ…私ね、いつも目が覚めたら、何も覚えてないの」
「だから、夢を見てるのかも、覚えてないの」
「縲?縺、知ってる?夢って過去の記憶なんだって」
薄暗く歪む鈍い虚空を見つめ、朧気に呟き、海鳴りが聞こえる。
「縲?縺もそう思うよね」
がさりと木の葉をかき分ける音
「縲?縺は、夢が好き?」
木枯らしがさっと少女の頬をなで、うららかに過ぎ去っていく
「ふぅん」
チリンと風に揺れる風鈴が鳴り、照れくさそうに少女は答えた。
「ふふ、また?まあ、いいよ」
縁側から立ち上がり、一度深く頭を下げ、くるりとターンして見せると、ぱちんぱちんと、弾ける音がした。
沈みかけた日に照らされ、鈍く金色に輝くその横顔を、縲?縺は見ている。水浅葱のワンピースが風で膨らみ、てらてらと光に当てられた明るい茶髪と、天女のようなその身姿。
迷いもなく美しく、力強い足取り。
光のこもる菖蒲色の目を、長く綺麗な手足を。
縲?縺の手を取り、見とれるような眼差しに、縲?縺は酔いしれる。
深くか細い旋律が耳をうち、少女が歌い出した時、日が沈み、夜が訪れようとしている。
朧に現れる、鶯色の着流しと、烏の濡羽のような艷やかな髪。柳色の下駄で少女と軽やかに踊る若者。
どんなに引き裂かれようと、時代が彼らの間に壁を隔てようと、必ずどこかで巡り合う。
--- 時も神も、誰にも邪魔できぬ。 ---
ぱっと火のつく赤提灯。揺らぐ陽炎。
ヘビ、熊、トカゲに兎。蝶々。
どんと響く太鼓の音色にひょろりと鳴くか細い笛の音。手拍子。三味線。
夜明けが来るまで、日が昇るまで。縲?縺と少女は一緒に。
美しい音色と、優しく高らかな少女の声が、よるにのみこまれていった。
小夜曲要素どこ?
ちょっとお話
少女、実はちゃんと名前があります、花ってお名前……デス
あえて少女呼びしてみました
縲?縺は喜久郎って言います、きくろうです