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第10話「社畜、世界を磨いて帰る」
魔王をモップで撃退し、世界の穢れを浄化した誠。 王都では祝賀の鐘が鳴り響き、人々は彼を「聖なる清掃王」と讃えた。
「いやいや、俺ただの社畜だったんだけど!?」
王様は誠に言った。
「そなたの功績は計り知れぬ。望むなら、この世界に残り、清浄省の長官として迎えよう」
誠は悩んだ。 異世界での生活は、意外と充実していた。 モップ一本で世界を救い、トイレは神域、学園では賢者扱い。 でも――
「俺、現世に未練あるんだよな…」
彼は思い出す。 コンビニの肉まん、深夜のラーメン、そして―― 「有給休暇」という幻の制度。
そのとき、空に光のゲートが開いた。 《転生完了者に限り、帰還を許可します》
誠はモップを肩に担ぎ、王様に言った。
「王様、俺…帰ります。現世の汚れも、まだ残ってるんで」
「そなた…本当に去るのか?」
「ええ。あと、異世界のトイレ、流すボタンが多すぎて混乱するんで」
王様は涙を流しながら言った。
「そなたの清掃魂、我らは忘れぬ…!」
誠はゲートをくぐり、光に包まれた。
――そして、目を覚ますと。
「佐藤くん!起きて!会議始まるよ!」
そこは、元のオフィスだった。 机には書類の山、PCはフリーズ、上司は不機嫌。
誠は静かに立ち上がり、机を見つめた。
「掃除魔法、発動」
机がピカピカになり、空気が澄んだ。 同僚がざわつく。
「え、なんか…集中力上がった気がする」 「佐藤くん、今日の資料、やたら見やすい…!」
誠はモップを握りしめながらつぶやいた。
「俺、現世でも“清浄騎士”でいくわ」
こうして、社畜・佐藤誠の物語は―― 異世界でも現世でも、モップと共に続いていく。
終わりました☆
なんか書いてて、楽しかったw
そして自主企画で募集してた、小説もあるので頑張ります
忘れてt((忘れんな
ということですでは