公開中
S A N 値 直 葬
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!
その「石刻」は、大英博物館の地下書庫、目録にない木箱の底に眠っていた。
黒泥を固めたような歪な質感。
表面には、深海の底で蠢く多足類の足跡とも、
あるいは未知の星座の運行図ともつかない、不条理な線が刻まれている。
私は指先でその溝をなぞった。
その瞬間、部屋の明かりが奇妙に屈折し、影が光源に向かって伸びるという、
物理法則の狂いが生じた。
頭の奥で、粘り気のある音が響き始める。
ズブ、ズブ、と、重い肉塊が湿った泥の上を這い回るような、不快極まる蠕動音。
それは耳から入る音ではない。
私の脳の、これまで使われてこなかった未開の領域が、
その音を直接「受信」してしまっているのだ。
気がつくと、書庫の四隅の壁が、信じられない角度で外側へと歪んでいた。
三次元の空間が、まるで紙細工のように引き破られ、
その裂け目から「色彩」が溢れ出してくる。
それは可視光線のどれにも当てはまらない、ただ見るだけで吐き気を催すような、
冒涜的な輝きだった。
その不条理な光の向こう側に、私は「それ」の姿を幻視した。
果てしない巨体。
何千もの不定形の触手。
それらが、泡立つ液状の肉塊から絶え間なく生えては消え、
星々の間の暗黒をのたうち回っている。
中心にある巨大な「眼」が、幾光年もの時空を飛び越え、
真っ直ぐに私の精神を捉えた。
それは悪意ですらなかった。
人間に蟻を踏み潰す意図がないように、ただそこに「在る」だけで、
こちらの脆弱な正気など塵のように吹き飛ばす、圧倒的な上位存在の顕現。
私は叫ぼうとした。
しかし、喉から出たのは人間の言葉ではなく、
ル=リエーの海底に沈む狂える神を讃える、おぞましい音節の羅列だった。
もはや、自分の脳が何を考えているのか分からない。
ただ、あの深淵の輝きの中に、早く身を投げ出したいという狂信だけが、
私の意識を真っ黒に塗りつぶしていった。
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
おおこわいこわい
【目指している賞】世界観賞