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猟犬兼探偵社員 10
探偵社にて
社に帰ると、ソファにちょこんと座る女性がいた。
谷崎さんが接客で、谷崎さんの後ろに皆が並んでいる。
依頼人「……………」
谷崎「………あの、えーと調査のご依頼だとか。それで……」
太宰「美しい……」
太宰さんはそう云って女性の手を取った。
太宰「睡蓮の花の如き|果敢《はか》なくそして可憐なお嬢さんだ」
依頼人「へっ!?」
太宰「どうか私と、"心中"していただけないだろう_____」
スパァァン
小気味良い音がした。
依頼人「なななな??????」
国木田「あ、済みません。忘れてください。だぁざぁい、そんなことばっかりやってるとひみのさんに嫌われるぞ!?」
太宰「ひみのと私の関係はそんな脆いものじゃ……」
ひみの「さよなら、太宰。中也のところに行ってくるわ。せいぜい元気でね」
太宰「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!待ってくれ、ひみのぉぉぉおおおおおおおお!!!!」
国木田「それみろ」
依頼人「それで、依頼と云うのはですね、我が社のビルヂングの裏手に……最近善からぬ輩が|屯《たむろ》している様なんです。あ、いただきます」
谷崎「(普通に再開した……変人慣れしてンのかな)善からぬ輩ッていうと?」
依頼人「分かりません。ですが、|襤褸《ぼろ》を纏って日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す者もいるとか」
国木田「其奴は密輸業者だろう。軍警がいくら取り締まっても|船蟲《フナムシ》のように湧いてくる」
太宰さんを閉じ込め終わった国木田さんが眼鏡を抑えながら云う。
国木田「港湾都市の宿業だな」
依頼人「ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。ですから」
国木田「現場を張って証拠を掴め、か…………」
国木田さんはフッ、と笑うと僕の方を見た。
国木田「小僧、お前が行け。」
中島「へッ!?」
国木田「ただ見張るだけだ。それに、密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り得の無害な連中__初仕事には丁度良い」
中島「でっ、でも」
国木田「谷崎、一緒に行ってやれ」
ナオミ「兄様が行くならナオミも|随《つ》いて行きますわぁ」
−−−−−−−
僕は仕事に向けて準備をしているが、自分でもカチコチしているのは判っている。
国木田「おい小僧。不運かつ不幸なお前の短い人生に些かの同情が無いでもない。故にこの街で生き残るコツを一つだけ教えてやる。」
国木田さんから渡されたのは写真だ。
国木田「此奴には遭うな。遭ったら逃げろ」
中島「此の人は____?」
太宰「マフィアだよ」
隣に太宰さんが居ることに気付かなかった。……吃驚させないで欲しい。
太宰「尤も、他に呼びようがないからそう呼んでるだけだけどね」
国木田「港を縄張りにする兇悪なポート・マフィアの狗だ。名は芥川。マフィア自体が黒社会の暗部のさらに陰のような危険な連中だが、其の男は探偵社でも手に負えん」
中島「何故____危険なのですか?」
国木田「其奴が"能力者"だからだ。殺戮に特化した頗る残忍な能力で、軍警でも手に負えん。」
国木田さんは少し置くと、こう云った。
国木田「俺でも____奴と戦うのは御免だ。」
探偵社にて
社に帰ると、ソファにちょこんと座る女性がいた。
谷崎さんが接客で、谷崎さんの後ろに皆が並んでいる。
依頼人「……………」
谷崎「………あの、えーと調査のご依頼だとか。それで……」
太宰「美しい……」
太宰さんはそう云って女性の手を取った。
太宰「睡蓮の花の如き|果敢《はか》なくそして可憐なお嬢さんだ」
依頼人「へっ!?」
太宰「どうか私と、"心中"していただけないだろう_____」
スパァァン
小気味良い音がした。
依頼人「なななな??????」
国木田「あ、済みません。忘れてください。だぁざぁい、そんなことばっかりやってるとひみのさんに嫌われるぞ!?」
太宰「ひみのと私の関係はそんな脆いものじゃ……」
ひみの「さよなら、太宰。中也のところに行ってくるわ。せいぜい元気でね」
太宰「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!待ってくれ、ひみのぉぉぉおおおおおおおお!!!!」
国木田「それみろ」
依頼人「それで、依頼と云うのはですね、我が社のビルヂングの裏手に……最近善からぬ輩が|屯《たむろ》している様なんです。あ、いただきます」
谷崎「(普通に再開した……変人慣れしてンのかな)善からぬ輩ッていうと?」
依頼人「分かりません。ですが、|襤褸《ぼろ》を纏って日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す者もいるとか」
国木田「其奴は密輸業者だろう。軍警がいくら取り締まっても|船蟲《フナムシ》のように湧いてくる」
太宰さんを閉じ込め終わった国木田さんが眼鏡を抑えながら云う。
国木田「港湾都市の宿業だな」
依頼人「ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。ですから」
国木田「現場を張って証拠を掴め、か…………」
国木田さんはフッ、と笑うと僕の方を見た。
国木田「小僧、お前が行け。」
中島「へッ!?」
国木田「ただ見張るだけだ。それに、密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り得の無害な連中__初仕事には丁度良い」
中島「でっ、でも」
国木田「谷崎、一緒に行ってやれ」
ナオミ「兄様が行くならナオミも|随《つ》いて行きますわぁ」
−−−−−−−
僕は仕事に向けて準備をしているが、自分でもカチコチしているのは判っている。
国木田「おい小僧。不運かつ不幸なお前の短い人生に些かの同情が無いでもない。故にこの街で生き残るコツを一つだけ教えてやる。」
国木田さんから渡されたのは写真だ。
国木田「此奴には遭うな。遭ったら逃げろ」
中島「此の人は____?」
太宰「マフィアだよ」
隣に太宰さんが居ることに気付かなかった。……吃驚させないで欲しい。
太宰「尤も、他に呼びようがないからそう呼んでるだけだけどね」
国木田「港を縄張りにする兇悪なポート・マフィアの狗だ。名は芥川。マフィア自体が黒社会の暗部のさらに陰のような危険な連中だが、其の男は探偵社でも手に負えん」
中島「何故____危険なのですか?」
国木田「其奴が"能力者"だからだ。殺戮に特化した頗る残忍な能力で、軍警でも手に負えん。」
国木田さんは少し置くと、こう云った。
国木田「俺でも____奴と戦うのは御免だ。」