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#11 Qの素敵な一日
「文豪ストレイドッグスわん!」の内容です。
連載中である「英国出身の迷ヰ犬」の番外編になります。
オリキャラ注意。
英国出身の迷ヰ犬
https://tanpen.net/novel/series/dbc4b7a3-d5a6-4927-bd3f-8e75383d3519/
ルイスside
Qの異能である『ドグラ・マグラ』はとても恐ろしい異能だ。
それは、敵味方無差別に襲う精神攻撃。
彼の《《詛い》》を受けた者には掴まれたかのような痣が浮かび上がる。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
そんな声が、廊下から聞こえてきた。
部屋から顔を出してみると、立原君とQが居た。
「ルイスさん! 俺にQの詛いが!」
「いや、それ以前に鏡見てくることを勧めるよ」
本来なら冒頭で説明したような痣が肩や腕に浮かび上がる筈。
だが立原君には顔面ド真ん中にパーの形になっていた。
堪えることは難しくて、彼には悪いが少し笑いが溢れてしまう。
「笑い事じゃないですよ!?」
とりあえず、と樋口さん達のところへ報告に行くことにした。
もちろん彼女達も笑いを抑えきれない。
「済みません、つい…一体如何したんです?」
「如何したもこうしたも、うずくまっているアイツに気が付かなくてよ、軽く当たっただけだと思うんだが…」
「そんな風に綺麗にパーの形になるなんて《《大当たり》》ですね。チョキとかグーもいらっしゃるんでしょうか…」
その時、部屋の扉が音を立てて開いた。
すぐに芥川君が帰ってきたと気付く樋口さんは凄いが、少し引いてしまう。
中也君とか他の人の可能性もあるのによく分かるな。
「芥川先輩ー!? チョキー!?」
「つまずいて…気付かなくて…」
まさかの同じパターンか。
そういえばQのこと放置したままだったな。
被害が拡大する前にどうにかしないと。
「何てことでしょう、早く何とかしないと!」
「俺と対応違くね!?」
「あの人を探して異能解除するしかないのでしょうか!?」
「ねぇ、俺と対応違くない?」
ドンマイ、と立原君の肩を叩いていると叫び声が聞こえた。
まさかQの被害にあった人がまた出たとは。
「大丈夫ですか、中也さ─」
パー、チョキという順番で来たので次はグーだと思っていた。
しかし何故かダブルピース。
普通に樋口さんはショック受けてるけど、とりあえずの目標は異能解除だろう。
「五大幹部の一角にダブルピースを強要するとは一大事です。早くあの人を捜さないと…」
「合ってるけど合ってない文面」
樋口さんが部屋を出ると其処にはQがいた。
勿論蹴ってしまい、詛いが発動する。
顔面には待望(?)のグーの痣が浮かび上がっていた。
普通に飽きてきたのでQを傷つけないように話し掛ける。
「マフィア内で詛いが発動していて凄いことになってるからさ、普通の部屋でお絵描きしてくれない?」
「分かった!」
Qと手を繋ぎ、元いた部屋へと戻った。
太宰君と出会えるといいな、樋口さん達。
「あら、貴方達ここにいたのね」
「流石に廊下で遊ぶのは危ないから。あの|幼女趣味《ロリコン》が探してた?」
「リンタロウが探していたのはチュウヤなのだけれど…」
その顔どうしたの、とエリスは中也君を見て言った。
仕方なくここ数分にあったことを説明する。
無視するわけにもいかないので、中也君はそのまま首領執務室へ向かうのだった。
「ねぇキュウサク、次はリンタロウを…」
「ほうほう…」
最近のちびっ子(13歳と異能生命体)って凄いな。
とんでもないこと話しているんだけど?
まぁ、とりあえず首領にご愁傷様とでも言っておこう。
Qちゃん可愛い。
エリスちゃん可愛い。
まだ二人とも英国出身の迷ヰ犬に出せてないけど…