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無情で無慈悲な操人形(3)
前回までのあらすじ
URL貼るの面倒くさくなった((
清少納言side
あぁ、そうだ。
そういえば彼女は──。
与謝野晶子「その呼び方、もしかしてシキちゃんかい……?」
紫式部「──っ、」
紫式部は私の腕を引いて、すぐにこの場から逃げ去ろうとする。
けれども、私は探偵社から出るつもりはない。
逆に引っ張り返してみると、転ばせてしまった。
仕方なさそうに私の手を離したかと思えば、来たときと同じように窓から出ていく。
文字列が彼女の周りに浮かび、道路を挟んだ向こう側のビルまで一回のジャンプで届いていた。
清少納言「流石だなぁ」
そんなことを呟きながら私は紫式部の姿が見えなくなるまで、窓の外を眺めていた。
与謝野晶子「シキちゃんが何故ここに……というか清さんは大丈夫なのかい!?」
清少納言「ん、大丈夫だよ。君もよく知ってる“シキちゃん”だからね、彼女は」
そうかい、と与謝野晶子は嬉しそうで悲しそうな笑みを浮かべた。
国木田独歩「おい……」
太宰治「どうしたの、くにきぃだくん」
国木田独歩「あの女性は一体何者だったんだ……?」
治は私の方を向く。
これは、面倒くさいから私に説明させようという顔だ。
後で文句は云うとしよう。
清少納言「元ポートマフィア幹部の清少納言の最初の部下であり弟子であり相棒であり親友である現在私の席に座らされたと思うと可哀想なただのチートかと思いきや彼女以外では扱えないほど制約が面倒くさい異能力を持っている女で名前は紫式部」
「「???」」
清少納言「だーかーら、元ポートマフィア幹部の清少納言の最初の部下であり弟子であり相棒であり親友である現在私の席に座らされたと思うと可哀想なただのチートかと思いきや彼女以外では扱えないほど制約が面倒くさい異能力を持っている女で名前は紫式部だって」
「「?????」」
清少納言「あー、はてなが増えてる。面倒だから治が分けて説明してあげて」
太宰治「いや、説明してあげてと云われましても」
私がもう説明する気がないのが判ると、治は渋々説明を始めた。
太宰治「まず、名前は紫式部。異能力は私もよく知らない」
中島敦「そうなんですか?」
太宰治「あの人は昔からずっと森さんのお気に入りでね。異能力はポートマフィア内でも“最後の五大幹部”以上に知られていないよ」
与謝野晶子「……。」
太宰治「あとは普通に清さんの部下であり、弟子であり、相棒であり、親友だよ」
国木田独歩「つまり、どういうことだ?」
太宰治「元々清さんの部下で、戦闘技術とかを教えてもらっていた。ただ、ある時から私と中也みたいに組まされるようになって、年齢が同じなのもあって二人は友人なのだよ」