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蛇の神様
この町には蛇の神様がいるらしい
といっても、みんなその神様を見たことがない
古代の書物に書かれていたそうだ
[蛇城町、大蛇来りて、新たに生まれ落つる]
ここは蛇城町なんかじゃない。
崇眼町。
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キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が鳴り響き、ホームルームが始まった
もうチャイムは鳴ったのにまだ教室はガヤガヤとしている。
「おい、波、あいつら座らせろよ」
幼なじみで学級委員長の蘿蔔波に声をかけると、
波はふぅっと息を吐きだした
**「みんな、転校生がくるって聞いて浮かれてるんだろうけど、チャイムなったのよ!着席しなさい!」**
転校生なんて、俺聞いてないぞ!?
「あ、セイガには言ってなかったっけ」
ひどいな、、、俺には言わないとかなんだよ!
で、転校生!?
考える間もなく
担任の教師が来た
「転校生を紹介する」
「蛇城藍雫だ。」
じゃしろ、、ねぇ、、
「なぁ、青牙、あの子美人じゃね?」
後ろの席の古川が話しかけてくるが、俺は生憎そういうことに興味はないんだ
「ありがとう、えーと、、」
「古川っす!!!!!!」
「古川くん!ありがとう...!」
頬を赤らめてそういう彼女は奇麗だと確かに思った
「じゃ、授業始めるぞ」
呆れたような教師の声がした。
授業が終わり、休み時間になると、クラスメートがわらわらと転校生、、蛇城さんに近づいていった
小学生かよ!
「蛇城さんってどこからきたの?」
「北海道の、|虻田≪あぶた≫郡|洞爺湖≪とうやこ≫町っていうとこ!」
「とうやこ、、ちょう?っていうとこ、なんかあるの?」
「うーん、、あ!虻田神社っていうとこがあるよ!白蛇のお守りがすっごいいっぱいあるの!」
虻田神社、、
蛇、、
蛇城、ねぇ
俺は家に帰ると真っ先に町の資料館へ行った
「おじさん、ちょっと見せて」
「お、いいぞー」
俺は急いでこの町の書物があるところへ行った
「あった、、」
そこにはミミズがのたうち回ったような文字が書かれていた
普通は読めないだろう
けれど_俺にはそれが読めた
「...なんだこれ、、」
「...蛇の神は神聖なものと崇められてきた。けれど、ある日蛇が地に降り立ったとき、
▮▮▮その醜い姿から、邪神として▮扱われるようになった...蛇の神は今でもそのことを憎んでおり、蛇神は100年に一度、蛇城▮雫という少女の姿となって現れ、世界を滅ぼす。」
ところどころ読めないところがあったけれど真実は分かった
ことしが、その100年に一度なんだ
そして、転校生は、蛇の神、。
蛇城、藍雫。
早く
なんとかして止めないと
明日にでもアイツと話をして、世界を滅ぼすのを止める。
俺の命なんて砕け散ってもいい
そう決意した時、頭の中に彼女____蛇城藍雫の声が響いた
「青牙くんは死んじゃだめ。私の対の人__蛇なんだから。」
は?
対の蛇?
俺人だぞ?
ていうか対の蛇ってなんだよ
対の意味が分かんねぇ
ピンポーン
静かな部屋に響いた音
怖くなって
無視をする
ピンポン
ピンポンピンポン
バキッ
ドアが蹴破られた
「はっ?」
「やぁっと見つけたんだから。崇眼青牙。」
--- 「私の対の蛇」 ---
乱れた吐息が次第に浅くなっていく
「貴方に死んでもらうわけにはいかないのよ。私の代わりに邪神になってもらうんだから。」
身代わり、かよ
ひんやりとした手が、俺の首をつかむ
頬にチロチロと何かが当たった
見ると、蛇の舌だった
赤い眼と、それはそれは奇麗な白い鱗
奇麗で
見惚れて
恐ろしくて
その蛇が牙をむき、俺にとびかかってきた。
______end