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愛してました。4
変わり果てた横浜で、彼と二人で最期の一秒まで生きられたなら。
「幸せ、かもしれない」
「かも、じゃなくて幸せにするんだよ」
「へ、」
その瞬間、彼は前から強く私を抱き締めた。私も、彼を優しく抱き締めた。
私の髪を撫でながら、彼は思い付いたように言った。
「やっぱり、お前は外国へ逃げないか」
「え...?」
「こんなところでお前は終わっちゃいけない。」
「銃兎さん、」
「まだ20年そこらしか生きてないんですから。もっと楽しんでもいいじゃないですか...!」
「銃兎さん...!!!」
私一人で楽しむ必要なんてない。
あなたが、銃兎さんがいなきゃ、私は、
「楽しくないよ!」
「...!」
「私、あんな惨めったらしく生きるつもりないし」
あんな政治家達みたいに自分の身だけ案じて逃げるなんて、絶ッッッ対に嫌だ。
「それに、銃兎さんとじゃなきゃ、」
「.....やだ。」
「ハァ....わかりましたよ。死ぬまで一緒にいればいいんですね?お姫様?」
「そうだよ、王子様。守ってね?」