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【淡本町私立淡本中学校:CPあり】声を聴かせて
校長×西先生
逆でもいいとおもう
西先生は、声を出さない教師だ。
普通に話せはするものの、声が小さく滑舌も悪いため、
本人は必要以上に話したがらない。
僕は彼の声、結構好きなんだけどな。
頭の隅で、そんなことを考える。
そうだ、彼を驚かせてみよう。
いつもは僕が、彼にいたずらされて驚かされる側だが、
たまにはやり返すのも悪くない。
何より、彼の驚いた声が聞いてみたい。
そう考え、僕は様々なドッキリを考え、
西先生に仕掛けることにした。暇人とか、そういうのは禁句だ。
まずはベタなものだが、曲がり角で待ち伏せて、
通りかかる瞬間に声を出す、というもの。
僕の予測が正しければ、彼はここに来るはずだ...
そう考えていると、早速彼が来た。
ギリギリまで待って...ジャストの瞬間で飛び出す。
「うおおおおおおおおお!!!」
「......」
「驚いた?ねぇ驚いた?」
「(あんた暇なんですか)」
いつもの仏頂面のまま、すたこらさっさとどこかへ行ってしまった。
残念、この程度では驚かないようだ...
次だ、方向的にも彼は裏口に向かってるはず。
先回りをし、扉に黒板消しを挟んでおく。
即席トラップの完成だ。少し遠くから、西先生の動向を窺う。
「......」
何やら、上の方を見つめている。
バレたかもしれない...いやきっと気の所為だ。
そんな願いも届かず、彼は少し離れた場所から手を伸ばし
扉を開けて、挟まった黒板消しを落とした。
なんてことだ、簡単に回避されてしまった...
次だ!彼はよく花壇に行く。
そこまでのルートに落とし穴を仕掛けていた。
先回りして行く末を見守ろうと思ったのだが...
「落とし穴に鹿がかかってる...」
これは想定外だった、やられた...
これでドッキリはすべて全敗だ。
僕はあまり頭が良くないから、これ以上思いつかない。
ため息を付いていると、背中に何かが投げられた。
振り返ってみると、そこにはネズミの死骸。
「ぎゃあああ!!!!ネズミ!!!!」
そして、近くの茂みからネズミの死骸を持った西先生が出てくる。
またやられた...僕は顔を顰める。
「まったく、チミには負けるよ」
「(ドッキリなんて、こういうシンプルなものでいいんです。
それにしても、なぜ急にこんなことを?)」
「チミの驚いた声、聞いてみたかったんだよね」
僕がそう言うと、西先生は一瞬驚いたような顔をした。
初めて見た、彼のあんな顔は。
「(そんなにいいものじゃありませんよ)」
「えぇ?僕はチミの声好きだけどね」
西先生は、途端に顔を真っ赤にしてわなわなと震え始めた。
あ、顔赤くなるんだ...と、僕は変な部分に驚く。
てっきり、彼に温かい血は流れていないものかと思ってた。
「かっ、からかわないでくださいよ!」
彼はそう、捨て台詞めいたことを言いながら逃げていった。
少し高めの、テノールの声質。
あまり通らない声は、若干滑舌が甘い。
「やっぱり好きだなぁ」