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宮廷(ゴミ)使用人、頑張ります!③ 湯豆腐とバツ
いじめ注意!
今日の、柚葉の朝食は少なかった。
いつも宮中の使用人専用のお手伝いさんが決まった時間にご飯を部屋に届けてくれるんだけど…。
薄いパン一切れ、具も量もショボいスープ。他には、なーんにもない。
いつもはもうちょっとあるけど、今日は格別少ない。
もしかして、昨日の件で誰かが嫉妬してこのような嫌がらせをしかけたとか?
そうと決まれば!と、柚葉は調理室へ向かい聞き込みをした。
しかし、みんな「あ…えーっと」と茶を濁すばかり。
もしかして、コーテリアの仕業?!
これ以上何かしたら怖いことをされそうなため、聞き込みは打ち切り。
ま、そんなことはさておきコーテリアから命令があった。
「風呂掃除してきなさい」
「え?でも今日は他の使用人の担当では……」
「今日はあなた以外映画を見にいくの。これ」
コーテリアは、ポスターを手に取る。
「つくりかけの笑顔」と大きく書かれている下にちょこちょこキャスト名が書かれたポスター。
「え…?でも、今日はお休みの日でも、特別外出の日でもないでs」
「グチグチうるさい。とにかく私たちは行くから」
コーテリアは柚葉の横を通り、部屋の外へ出てしまった。
「こんなときに、マリカ様がいたらいいのに…」
マリカ、とは。コーテリアの生みの親。
つまり… **女王だ**。
しかし、女王は王族の位を捨て、今は生死不明。
どこかでいきとぃると、柚葉は信じている。
でも、そんなことより今はお腹が減った。
(こっそりおこづかいでご飯を食べにいこーっと。どうせ誰もいなんだし)
そう思い、柚葉は外に出た。
6月なのに、寒い。最近は気候変動で地球自体が寒くなっちゃってる。
地球大寒波現象、と呼ばれているらしい。
そして、下町にて感覚で入った湯豆腐屋さん。
そこは、古民家で1人の40歳くらいの女の人が湯豆腐をつくっていた。
「いらっしゃい。ほら、座って。湯豆腐食べたいでしょ」
その人の圧に押され、柚葉は席に座る。
そこで提供された湯豆腐は、あったかくて。
ほかほかしてて。
懐かしの味だった。
お腹もしっかり膨れた。
「あのッ…ありがとう、ございました」
「このくらい、いいってことよ。いつでもきてね。あと…娘が、申し訳ない無礼なことを柚葉さんにしてると聞いて」
「…え?」
柚葉は、この人に名前を告げていなかった。
しかも、初対面なのに、娘?無礼?
「あ、あなたは…」
「あ、私?私は…
**マリカ。元・女王で、コーテリアの母です**」
その声は、柚葉が初めて宮中にきた時に録音機を通して聞いた声だった。
次回★柚葉の過去に迫る!
柚葉)絶対やだプライバシーっていうのがあるでしょ?!
物語だったら無関係だy
ボカアアアアアン