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はじめてのchu〜
ハイリスクレッド
ショート・ショートストーリー✍25
ファースト・キッス
☆
初めてのchuう〜🎶
しちゃった、しちゃった!
ファースト・キッスを
それもずっとずっと憧れていた先輩と
ずっとずっと大好きだった先輩と
誰か聞いて、私のファースト・キッスのお相手は誰?って
高らかに言うは、憧れの大好きな先輩としちゃったのって言う!
☆
私の名前は、ヨーコ。
今年から大学の1回生。
先輩と初めて出会ったのはそろそろ夏休みも待ち遠しい初夏のある日の朝。
同じ大学に一緒に進学してきた高校からの親友のツーコと朝の登校時。
正門をくぐった朝のキャンパスに爽やかな雰囲気の男子が爽やかな声で挨拶を舞い散らしながら、何やらチラシを配っていた。
よく見ると爽やか男子以外にも三人の女子達もチラシを配っていた。
爽やかな声の挨拶に無意識に引き寄せられ無意識に手を出しチラシを手渡された受けとった。
『大学祭開催運営スタッフ募集!気になる方は放課後、キャンパス内 F棟 4階 生徒自治会室まで、受付随時、等々』
チラシを手にしたまま教室に入ると、やはり手渡されたチラシについてガヤガヤとみんなの声がしていた。
その日の放課後、私と親友のツーコとクラスメイト六人で F棟 4階へと向かっていた。
コツ、コツコツ、とクラスメイトの一人が生徒自治会室のドアをノックした。
は〜い。女性の声が聞こえるとドアが開けられた。
可愛らしい女性だった。なんて優しい笑顔なんだろって思わず見惚れた。
どーぞ、遠慮なく入って下さい。声まで優しい。
優しい声に促され私とツーコとクラスメイト六人はぞろぞろと足を踏み入れ横並びになった。
室の中には、二人の女性と一人の男性がいた。
初めに可愛らしい女性が自己紹介をしてくれた。
3回生のサナエです。
続けてもう一人の女性が自己紹介をしてくれた。
3回生のトモコです。
うぅ、うわ〜美人さん、なんて綺麗でスタイル良いわ。
最後に、男性が自己紹介をしてくれた。
3回生のタカフミです。
え?えぇ…先輩なんだ…雰囲気1回生って感じだわ。
私とツーコとクラスメイト六人は横並びの順番に自己紹介をし、大学祭運営スタッフ募集について簡単に説明聞いた。
決定事項は、次の金曜の放課後 A棟の2階会議室に来て頂いた人達で担当を組んでいきます。本日は受付のみです。
って事で今日は解散でよろしくお願いします。
なるほど~ね、先ずは人数集めの為の受付だったんだ。
と思いながら、ふっと思い付き可愛らしい先輩サナエさんに尋ねてみた。
あのぉ、今朝チラシを配っていた人達もスタッフの方たちだったんですか?
あぁ〜今朝誰が配ったの?
雰囲気1回生先輩タカフミくんが問い直した。
今朝は、2回生のミーちゃんとケイちゃんとユミちゃんと、マオくん、でしょ?
美人さんの先輩トモコさんが答えた。
マオくん?
って、男性のひとですか?私は思わず聞き返した。
そうそう、惹かれちゃった?爽やかマオくんに?
意味深に可愛らしい先輩サナエさんが聞いてきた。
気をつけろ〜マオ~の爽やかさは罠だかんな。
雰囲気1回生先輩タカフミくんが言い放った。
罠…ですか?私とツーコは思わず顔を見合わせた。
あははは〜マオくんに嫉妬しないのよタカフミくん。
可愛らしい先輩サナエさんが笑いながら受け流した。
☆
金曜の放課後、会議室。
結局、私とツーコとクラスメイト六人は金曜の放課後の会議室に参加した。
私たちが会議室に行くとすでに、三人の列と五人の列が着席していた。
私たちは、四人四人の二列で着席した。
前方では、可愛らしい先輩サナエさん、美人さんの先輩トモコさん、雰囲気1回生先輩のタカフミさんと初めて見る背の高い男性が何やら会話を交わしていた、しかし、期待したマオくんの姿は無かった。
と、いきなり会議室のドアが開かれ一人の女性がバタバタと駆け込んできた。
はぁはぁ、間に合った〜と先輩たちにペコペコしながらすでに着席していた三人の列に加わった。
あら〜雑!騒々しい人だわ~と思った瞬間、雑な彼女が立ち上がり振り向いて人数を数え始めた。
その顔がなんてカワイイ〜キラキラアイドルみたいな顔してる!
すでにいた三人もそれに合わせて振り向いている。
見覚えありだった、あの朝のチラシ配りをしていた三人だ。
確か、2回生のミーちゃんケイちゃんユミちゃんの先輩たちだ。
アイドル顔の女性が人数を数え終えた事を見計らった様にドアが開かれた。
マオくん、登場!
マオくんの姿が会議室に入室した瞬間、空気が変わり爽やかな風に撫でられた。
会議室の前方に進むマオくんに向かって、アイドル顔の女性が小さく手を振るとマオくんは、一瞬の微笑みを返し先輩たちに加わり言葉を交わし前方中央に進み出て自分の右手のリストウォッチを確認すると挨拶を始めた。
『本日は、多忙な中ご参加いただき、ありがとうございます。
はじめましての方々もおられますので自己紹介をさせていただきます。
生徒自治会、生徒会長のマオです。3回生です。以後よろしくお願いします。
では、第一回目の学園祭開催運営スタッフミーティングを始めます』
生徒会長さんなんだ。
しかし〜爽やか〜淀みない素敵な声、雰囲気も良い、スタイルも良い、私は完全に恋に落ちた、マオくんの虜になってしまった。
☆
そんなこんなで、大学祭開催への準備の打合せやら作業やらと慌ただし日々が始まったのでした。
とは言え、マオくんは3日に一度位にしか見かけず見つめていられるのも3日に一度位だった。
マオくんは、可愛らしい先輩サナエさんと美人さんの先輩トモコさんと気さくに親しく言葉を交わし合ってゆく。
アイドル顔の女性は、2回生のアッちゃん。ミーちゃん、ケイちゃん、ユミちゃんのお友達、四人でマオくんを取り囲み親しく言葉交わしている。
他にいた五人の列のひとり、スタイルモデル級のクールビューティ女性、3回生のナナカさん、やたらとマオくんに積極的に言葉を交わしにいっている。たぶん、おそらく、ナナカさんもマオくん狙いのようだ。
なんなん?このマオくん周辺のハイレベル女性達は…私なんて…
私なんて…
可愛らしいなんて言われたこと無い!否定されたことも無いけど…
美人さんなんて言われたこと無い!否定されたことも無いけど…
アイドルみたいな顔なんて言われたことも無い!否定されたことも無いけど…
モデル級スタイルでもクールビューティでも無い!もちろん否定されたことも無い…
それでも、私はマオくんが好き。憧れて、虜になって、恋してます。
☆
慌ただし日々も以外とあっという間に今日で終わる。
明日は大学祭開催本番当日である。
午前中に準備を仕上げ終わった私達。
私とツーコと六人のクラスメイトの元へマオくんが現れた。
みんな、お疲れ様〜。昼弁当買って来たからココで食うなり何処かで食うなり、お持ち帰りするなりしてくれ〜。
マオくんは、そう言いながら両手にぶら下げている買い物袋をかざしていた。
その声に、うわ〜と六人とツーコが駆け寄り手に手に昼弁当を取り分ける。
最後に残ったお弁当を右手に持って、マオくんが私に直接差し出してくれ労いをかけてくれる。
ヨーコちゃん、お疲れ様でした。明日は大学祭本番楽しんで。
はい!やった〜マオくんが私の名前を呼んでくれた。お弁当直接手渡されて私は有頂天!!
すると、六人のから誰とは言わず提案が出された。
みんな〜お弁当、ヨシユキのアパートの部屋で食おうぜ。
お〜いいね!行こういこう。ね、先輩も一緒に食いましょう。
誰とは言わないバタバタに紛れ、マオくん先輩を誘い、クラスメイトのヨシユキのアパートの部屋へゆき車座になる。
私はしっかりと車座の順番を見極めてちゃっかりとマオくんの隣に着座した。
手を伸ばせば触れられる、ほんの少し寄り添えば肩と肩が触れ合える距離に、憧れの大好きなマオくんが今隣にいる。
※
ツーコ
ヨーコってマオくん先輩が好きなんでしょ?
ヨーコ
うん、まぁねぇ…
ツーコ
だったらせっかくなんだから積極的に声掛けてお話ししたら良いのに
ヨーコ
ん〜無理よ、マオくんの周りにはハイレベル女性ばっかだもん
ツーコ
でも、ハイレベル女性だからって彼女さんな訳じゃないでしょ
ヨーコ
たぶんね…
ツーコ
じゃぁ、もしかすると告白すれば彼女になれるかもよ?
ヨーコ
もしかして彼女になれてもハイレベル女性からの告白があれば逆転されて負けるわ私じゃ
万が一に彼女になれても大学にいる間だけだし
ツーコ
どーゆこと?
ヨーコ
マオくんは先輩なんだから先に社会人になるのよ、社会人の中にはもっともっとハイレベル女性がたくさんいるのよ、私、そんなハイレベル女性達に勝てると思えないもの
ツーコ
考え過ぎだと思うけど、無責任に大丈夫とも言えなわね…
ヨーコ
このまま、片想いでも良いけど…ワガママ言えば何かマオくんとの思い出が欲しい…
※
車座での昼食タイムのお弁当を食べ終えた。
誰からともなく、ひと休みしてから解散にしょうぜ。の言葉にそれぞれがそれぞれにくつろぎ始めた。
ゴロゴロしたり、雑誌に目を通したりと、私はただただマオくんの横顔に見惚れていた。
そんなマオくんが雑誌を手に取り自分の顔の前でページを開いた。
そのページに視線を移して気がついた、広げた雑誌の向こう側が遮られてる…
瞬間、私は自分の顔を雑誌とマオくんの間に挿し入れ、マオくんの唇に、私の唇を触れ合わせた。
んっと息をのむマオくん、もう少しと願いほんの少し強めに唇を押し合わせる。
どれくらいの時間?ほんの数秒?静かに唇を離し顔を伏せる。
ドキドキが止まらない!ドキドキが鳴り響く!!
しばらく深呼吸を繰り返す。少しだけ呼気が整うと隣にいたツーコの腕をとり徐ろに立ち上がり俯いたまま微かな声を出した。
お疲れ様でした、お先に失礼します…
クラスメイトのヨシユキのアパートの部屋を飛び出し駆け出す。しばらく駆けていきなり立ち止まりツーコを抱きしめ気持ちを落ち着かせ言葉を出した。
しちゃった、しちゃった!
ファースト・キッスを
それもずっとずっと憧れていたマオくんと
ずっとずっと大好きだったマオくんと
誰か聞いて、私のファースト・キッスのお相手は誰?って
高らかに言うは、憧れの大好きなマオくんとしちゃったのって言う!
☆
そのまま翌日、大学祭本番を終えるとマオくんと間近で会う機会は無くなった。
時々、遠くに見かけて遠くから見惚れているそのまま何事もなく日々が過ぎていった。
そして、マオくんの卒業が迫ってきた。
卒業式まで、残り2ヶ月と迫ってきた。
その日、私はツーコと居残りし進級レポートの仕上げをしていた。
何気なくふっと顔を上げると、視界にマオくんの姿を見つけた。
えっ、えぇ…?
まさか、どんどんとマオくんが近づいてくる…
よっ!って右手を上げると相変わらずの爽やかな笑顔を、爽やかな風を投げかけてくる。
元気してるか?って、爽やかな声で聞いてくる。
は、はあ、はい、としどろもどろに返事をする私。
マオくんは、左手に持っていたパネルを、A3サイズのパネルを私に差し出した。
良かったら貰ってくれないか?漫研で展示してた俺の描いたイラストパネルなんだけど、どう?
私は差し出されたパネルを無意識に受け取り描かれているイラストに目線を向けた。
口吻、愛と誠が口吻をしていた。イラストに添え書きが『愛は平和ではない……』
口吻、キッス、ファースト・キッスの証?ファースト・キッスの思い出!?そのまま私はパネルを抱きしめた。
良かったマオくんを好きになって、ありがとうございました。
終。