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裏
文化祭をまわっているとき、裏を見つけた。
周りには誰も居ない。
「えぃっ!」
僕はそこに飛び込んだ。
そこは、マーブル模様の壁が続くホテルの廊下のような空間だった。
「105、273、144、変なの。」
部屋の番号はバラバラだった。
適当に144の部屋に入った。
その中は、ウユニ塩湖のような薄い海が広がり、遠くには平坦な山が広がる空間だった。
「わぁー、綺麗!!」
とても綺麗で、ずっと見ていたくて、ここでなら全てを許せる気がした。
そう思って、この空間を進んでいった。
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目の前にドアが現れた。
開いて進むと、次は壁がない迷路についた。
少し進むと、そこには大きな2本の腕があった。
その先の指は、下手くそなハートを作っている。
なんとなく真似してみる。
「♡」
「なんか恥ずい//」
僕は随分大げさにその腕を避け、先へ進んだ。
空から大量のシャンデリアが伸びてくる、でも、その数が増えるたびに視界が暗くなる。
段々何も見えなくなる。
段々何も聴こえなくなる。
段々何も感じられなくなる。
段々…
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目覚めると、そこは最初のホテルの廊下だった。
上を向くと、電球の代わりに僕が入ってきたところがある。
「そろそろ帰るか。」
天井に向かって飛び降りると、そこは文化祭の最中、騒がしい学校だった。
12の鐘が鳴る、終わるまで、あと2時間ほどある。
裏に行くのは…しばらくいい。