公開中
心中空白
Rainer
真白
純白
何にも染まらないってのは嘘だ
愛されたかった。
理由なんて、
なかった。
ただ、
誰かの心の中に
自分の名前があれば、
それだけで
少し安心できた。
朝起きて、
最初に思い出してもらえる人。
眠る前に、
最後に思い浮かべてもらえる人。
そんなふうに、
誰かの一日の中に
俺がいればよかった。
「会いたい」
と言われれば、
必要とされている気がした。
「好き」
と言われれば、
生きていていいような
気がした。
だから俺は、
愛されることに
何度も縋った。
優しくされれば、
その優しさを
愛だと思った。
寂しくなれば、
誰かを好きになった。
本当に好きなのかも
わからないまま。
ただ、
一人になるのが
怖かった。
誰にも選ばれない夜は、
自分まで
この世界から
必要とされていないようで。
だから、
誰でもよかったわけじゃない。
誰かに、
「お前がいい」
と言ってほしかった。
たった一人に、
俺でよかったと
言ってほしかった。
そうすればきっと、
この胸の奥にある
名前のない空白も、
少しは埋まる気がした。
でも、
愛されるたびに思う。
俺は、
この人が好きだから
愛されたいのか。
それとも、
愛されている自分を
好きになりたいのか。
答えはまだ、
見つからない。
ただ今は、
誰かの「好き」の中でだけ、
自分の存在を
信じられる。
そんな自分が、
少しだけ嫌いで。
それでもやっぱり、
今日も誰かに、
愛されたかった。
白いものは何かに塗られる