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『オールトの雲』第五話
「あなたは…」
「それはともかく!この実を食べて!」
「あ。はい!」
パクッ
食べた
味は…まあ
でもなんか体が浮いてる気が
浮いてる!?
「あれ…浮いてる!?」
「コレで逃げて!」
「え?でも…」
いやとりあえず技が出せないから逃げたほうが良い
この人がきっとみらとさんを守ってくれる。はず
「何なん?この霧みたいなもんは」
「大丈夫?」
「僕は大丈夫だけど…技が来る!」
「邪魔が来たんやけど。まあ良い…風火乱!」
「あれ?技がでーへん?おかしいやん」
「__フフフ__|空ノ色《スカイカラー》を使ったけど今はブルーモーメント!」
「たああああああああああああああああああああ!」
みらとさんが裏へ回り込み剣を振りかざした
「うぐ」
直撃…はしなかったが腕と背中に結構な切り傷を与えてくれた
「ほんま痛いんやけど」
「__僕、人間が良かったわ。こんなことしなくても良かったかもしれんし__」
「テラルちゃんとみらと君と誰か知らんけどさいなら〜」
傷を与えたのに
「すぐに逃げられた!」
「まあ無事だったから良いじゃん!」
「みらとさんはすごいポジティブなのね…」
「あの…」
「あ!あなたは助けてくれた人…って誰ですか?」
「私の名前は、|山梨 希望《やまなし のぞみ》です。よろしくお願いします」
希望さんに自己紹介をしたり事情を説明した
「テラルさんは、オールトの雲出身なんですね!いいですね。私オールトの雲が好きで…」
「そうなの!僕は宇宙とか星とかが好きでね…」
「ちょっと!その話よりも先に何で人間なのに属性持ちなの?」
「それはなぜかわかりませんが属性を持ってるせいでいじられて…」
「それは可哀想に…個性なのに」
みらとさんは悲しそうに言った
この人はやっぱ優しいな
「でもテラルさんとみらとさんを助けられてよかったです!」
「ねぇ。オールトの雲が好きなら一緒に来ない?」
「え?みらとさん。人を巻き込まな…」
「良いですよ。行きたいです!」
「え…でも危険だし」
「いえ。大丈夫です!技も使えるんで」
私はちょっとビックリしながら
「まぁ。宇宙服はまだあるから大丈夫だけど…」
「じゃ。荷物まとめてあの丘で集合ね!」
やっぱみらとさんはすごい…
危険なことを恐れずに行くことになったし
頼もしいような頼もしくないような
でもなぜか安心した