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眩光
読み切りです。
私、和泉(いずみ)は今日も目を覚ます。
今日も決めた方角へ追いかけて。
私は夢を描く必要もないと思うし何もかもを蹴散らすことも悪くはないと思う。
あの日まではーー
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誰にも気づかれずに君と語った夢物語の欠片があの夜、散らばった。
声が聞こえた気もしたのに。あれからどんな日を。
旅立つ前に君からもらった言葉で繋げる。
急に思い出しては泣いて。笑って。
あの頃の私はーー
「馬鹿げた夢でも」
やり切ってみるから。止まれないから。
私の道を。あの方角へ走り出す。
夢を描く。
知る必要もなかったけど全てを蹴散らしながら。
光が照らす心の|羅針盤《コンパス》が体に心地よい。
闇を切り裂く程の光。
孤独も悲しみも抱いた真っ暗で冷たいあの雨はもう止んだ。
だから。私は進む。
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誰にでもあるはず。夢の欠片を捨てては懐かしんで。
あの日。私は夢を諦めなければどうなってたんだろう。
あれからーー
私は旅立つ前に君に何を残せるのかな。届けるためにも進むけど。
不意に思い出して泣いて。
もう二度と。もう一度だけでも。
やり切ってみるから、止まれないから。
次のページを開いて殴り書き。
今日も目を覚ます。あの方角へ走り出して。追いかけて。
あの孤独と悲しみも抱いた真っ暗で冷たく美しいあの雨は何処かへ散った。
心の|羅針盤《コンパス》が定まらないまま今日も進む。
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今日も明日も私は君を、自分を探し続ける。
答えは自分で探して見つけるから。
辛いなとかそんなことは当たり前?
足掻いて、もがいて。
答えを掴み取るその日まで。悔しさも後悔も進むための糧。
やり切るから。止まらないから。
後は前を向くだけ。
今日も決めた方角へ答えを探して追いかけて。
夢を描くのも闇を斬り裂く光。
孤独も悲しみも抱いた美しく儚い真っ暗な夜明けは誰?
真っ暗な夜の雨は止んだ。
後はーー進むだけ。
読んでいただきありがとうございました!