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episode4
エンディング妖精のお話
活動にも慣れてきた、ある日の音楽番組。
待機室で各々準備をしていると、ミンジュから「ちょっといいかな」と招集がかかった。部屋の隅に全員で集まる。
「みんなに伝え忘れてたことがあったんだ。それを話しておこうと思って」
「伝え忘れてたこと?」
ジアンが首を傾げる。ミンジュが「そう」と頷いた。
「エンディング妖精ってあるでしょ。今までやってこなかったけど、今回のステージからそれをやってもうことになったんだ」
「エンディング妖精?」
今度はセナが首を傾げた。その頭をシウがぺしっとはたく。
「はじめの方に習ったろばか。ステージの後に一人一人抜かれるやつだよ」
「あー、なんか聞いたことあるような…?」
「君、ほんとに何も聞いてなかったんだね…」
カオルが苦笑いを浮かべる。
「そのことについてなんだけど、一回につきカメラに抜かれるのは2人まで。なんだけど、今回は時間の都合上一人しか入れられなくてね。その一人を、君らで決めてほしいんだ」
「え、俺達に?」
ロウンが自分を指さす。
「そう。大人が介入するより、君たち自身で君たちの色々なことを決めてほしいんだ」
「へぇ、面白そう」
イユニが顎に手を当てて笑みを浮かべる。「それじゃ、本番までに決めといてね」とミンジュが出て行った部屋で、メンバー達が輪になって顔を突き合わせた。
「で、記念すべき一回目の妖精は誰にするよ」
「じゃあ最年長の俺で…」
「「やだ」」
「なんでだよ」
「そこはリーダーじゃない?」
「いや、僕は…」
「はいはい、俺やりたい!決めポーズしたい!」
「は?俺がやるし!お前は次でいいだろ!」
「なんでお前なんだよ!背ぇ低い癖に!」
「今それとこれとは関係ねーだろ!」
「じゃあ僕がやるー!」
「「なんでそうなる」」
「協調性皆無だね君ら」
ぎゃいぎゃいと言い合う3人を尻目に、イユニが乾いた笑いを零す。それに賛同するようにカオルが頷いた。
「セナ君は?やらなくていいの?」
「…俺はべつに。やりたい人がやればいいじゃん」
「え~。君はもうちょっと積極的にならなきゃ」
「兄さんだけには言われたくないんだけど」
「スミマセン」
カオルがダメージを受けたように小さくなる。時計を見れば本番まで残り15分。まだ準備もやり切っていないのに、一方は争う3人、もう一方は小さくなったリーダーと無関心なマンネ。一人ぽつんと立ちすくんでいる最年長。まさに混沌と化していた。
「ああもう、どうしたら…」
イユニが頭を抱え込む。このままでは本番が来てしまう。しかもただでさえ時間がないのに、ここで遅れてしまっては番組側にもスタッフにも迷惑をかけてしまう。だが一向に決まる気配はなく、いつもまとめてくれるリーダーも機能しそうにない。ぐるぐると廻る思考でなんとか考えを押し出していると、ふいに一つの解決策が頭に浮かんだ。
「…まぁ、これしかないかなぁ」
結局、全員がなんとかカメラに収まろうとぎゅうぎゅうになる様子が放送され話題になり、多くの人を虜にしたのだとか。
本番直前に、イユニが「もう皆で映ろう!映れなかった人1週間掃除当番ね!」と宣言したため、皆が映ろうと必死にくっついていました。(ちなみにジアンがロウンを蹴落とそうとする様子も確認されています。いつかアニメに描き起こしたい…)
合唱祭が重なってしまい無理矢理すぎる終わり方をしてしまってすみません…!なんでこんな忙しいの私の人生…