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予想だけど2
あめのなし
前回の続きです。
※フィクションです。
「守った証…?何から…?」
「え、だからほら…
もういいや!!
この際正直に言うね…
実はまほちゃんを連れて来いって言われてたんだよね…」
「誰に…?」
私は思いきって聞いた。
ってか聞かずにはいられなかった。
「誰にってその…
俺の好きな子に…」
は?ますます意味が分からない。
何それ、とおや君の好きな子?
そんな子居たんだ。なんかそれはそれで
ショックではあるんだけど…
「その子に私何かした?
その子は何?私を殺してこいって?」
「そんな風には言ってない!
そんな風には言ってないよ」
なんかとおや君が必死にその人を庇う言動にイライラする。
「何なの!ってか私帰ってもいい?」
私が怒ってるのを察して焦ったとおや君が
「待って帰らないで
ってかその足じゃきついでしょ、腕も怪我してるんだし…」
「もうひきづってでも帰るよ」
私はそう言い切った。
座ったまんまとおや君は私の手をグッと握ってきて
「しっかり送るから最後まで聞いて」
振り解けば良かったのかもしれないけど
とおや君の必死さが目から伝わってきて
立ちあがろうとしたけどまた椅子に座りなおした。
「まほちゃんたまに献血に行くでしょ?」
とおや君がゆっくりと落ち着いて話だした。
「は?」
何の話をされるのかと思ったら献血?
全然関係なくない?私を突き飛ばした事と何の関係があるの?
「行くってか…たまにだけど…何?
ってか何の話をしてるの?」
イライラしてどんどん強気になってる自分にびっくりする。
「その血をたまたま輸血した彼女がまほちゃんを連れて来いって」
え?どう言うこと?話についていけなくて私が黙っていると
「彼女病気なんだけど…
その…まほちゃんの血が入ってから調子が良いって…」
「余計訳が分からな…」
と言い終わる前にとおや君が言った。
「だから彼女がまほちゃんを
多少弱らせてでも連れて来いって…」
ん?でもこれはハッキリ分かる。
「弱らせてって
殺して連れてこいってこと?」
「いや…そんなハッキリ…そこまでは言ってないんだけど…」
とおや君が煮え切らない様子で言った。
いやでもハッキリ否定はしないのね。
「じゃあなんて?」
「まぁ、だからそのまんまだよ」
いや私が言ったこれってそのまんまだよね?
「で、その結果…」
続けるんだ、ちょっと笑っちゃう。
「その結果…?」
私が少し笑いながら言うと、とおや君が少し安心したのかなぜか得意気に言った。
「俺ともう1人で協力してまほちゃんを連れて行く事になったんだよね」
もう1人…
「私、とおや君以外と会った事ないけど」
「俺しかまほちゃんの前に姿を表さないでおこうって言って話あったんだよね」
「それは何で…?」