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水族館への道
翌日から、ゆうせいにとって時間の流れは以前とは全く違うものになった。授業中も、食事中も、星太郎との週末のデートのことが頭から離れなかった。彼はスマートフォンで水族館の情報を何度も検索し、どんな服を着ていこうかと悩み、初めての正式なデートに胸を高鳴らせた。
金曜日の夜、ゆうせいはクローゼットの前で途方に暮れていた。服を何着も取り出してはベッドに放り投げ、どれもが完璧ではない気がした。
「どうしよう…」
ため息をついていると、スマートフォンが鳴った。ビデオ通話のリクエストだった。発信者は星太郎。
「や、ゆうせい。何してる?」
画面に映った星太郎は、自室のベッドに寝転がっているようだった。Tシャツ姿で、普段よりさらにくだけた印象だった。
「えっと…明日の服を選んでるんだけど、なかなか決まらなくて」
「は?そんなことで悩んでるのか」星太郎が笑った。「お前が着るものなら何だって可愛いよ」
「そ、そんなことないよ」ゆうせいは頬を赤らめた。「星太郎はもう決めたの?」
「ああ。ジーンズにジャケットってとこだな。水族館は館内と外の気温差があるから、脱ぎ着できるものがいい」
ゆうせいは感心した。自分は見た目ばかり気にしていたが、星太郎は実用的な面も考えていた。
「じゃあ…僕も何か羽織るものを持っていこうかな」
「そうしろ。それより、ゆうせい」星太郎の声が突然真剣なトーンに変わった。「明日のことで、一つ約束してほしいことがある」
「え?なに?」
「緊張するなってことだ」星太郎の画面越しの視線が優しかった。「俺たち、もう付き合ってるんだ。特別な一日には違いないけど、肩の力を抜いて楽しもう。いいな?」
その言葉に、ゆうせいは胸が温かくなった。彼はうなずいた。
「うん。わかった」
「よし」星太郎の表情が緩んだ。「それじゃあ、明日の朝9時に迎えに行く。しっかり寝ろよ」
「星太郎も。おやすみ」
「おやすみ、ゆうせい」
通話を切った後も、ゆうせいはしばらくスマートフォンを握りしめていた。星太郎の優しい声が耳に残り、不安は少しずつ期待に変わっていった。
***
土曜日の朝、ゆうせいは8時前に目が覚めた。窓の外は快晴で、デートには最高の天気だった。彼は入念に身支度を整え、結局シンプルなニットにデニム、そして薄手のジャケットを合わせることに決めた。
9時ちょうどにインターホンが鳴った。
「今行く!」
ゆうせいは慌ててドアに向かい、息を整えてからドアを開けた。
廊下に立つ星太郎は、言った通りジーンズに黒のジャケットというスタイルだった。いつもより少し丁寧な装いで、ゆうせいは思わず息をのんだ。
「おはよう。準備はいいか?」
「うん…おはよう、星太郎」
星太郎はゆうせいを一瞥し、口元に笑みを浮かべた。
「かわいいな。その服、似合ってる」
「ありがとう…星太郎も、かっこいいよ」
「当たり前だろ」星太郎はいたずらっぽく笑いながら、一歩近づいた。「でも、一つだけ気になることがある」
「え?なに?」
星太郎の手がゆうせいの頬に触れた。彼の指が優しく肌をなぞり、顎のラインを伝ってあご先まで移動した。
「ここに、ひげ剃りの跡が少し残ってる」
「えっ!?」ゆうせいは慌てて自分の顎に手を当てた。「ご、ごめん、ちゃんと確認したつもりだったのに…」
「大丈夫だよ」星太郎の声が低く、優しかった。「むしろ、こういうところがゆうせいらしくていい」
そう言うと、星太郎はゆうせいの唇に軽くキスをした。朝の挨拶のような、自然なキスだった。
「さあ、行こうか。水族館まで少し距離があるからな」
二人はエレベーターで一階まで降り、星太郎のバイクに向かった。今日は特別な日ということで、星太郎はゆうせいに新しいヘルメットを手渡した。
「これ、お前に合わせて買った。気に入るかわからないけど」
それはシンプルな白いヘルメットで、側面に小さなペンギンのシルエットが描かれていた。ゆうせいは目を見開いた。
「ペンギンが…」
「お前の好きなものだろ?」星太郎は少し照れくさそうに言った。「さあ、被ってみろ」
ゆうせいがヘルメットを被ると、ぴったりとフィットした。星太郎は彼のあご紐をしっかりと締め、その過程で何度も指がゆうせいの肌に触れた。一つ一つの触れ合いが、小さな電流のようにゆうせいの体を走った。
「よし、これで完璧だ」
星太郎は自分のヘルメットを被り、バイクに跨がった。
「しっかり掴まれよ。今日は景色も楽しみながら行くから、ゆっくり走るからな」
ゆうせいは星太郎の腰に手を回し、彼の背中に頬を預けた。エンジンがかかり、バイクが動き出す。週末の東京の道路は比較的空いており、二人は快適に走ることができた。
一時間ほど走ると、海の香りが風に混じり始めた。ゆうせいは星太郎の背中から顔を上げ、前方に広がる海を目にした。
「あ、海が見える!」
「ああ。水族館はすぐそこだ」
星太郎が言った通り、数分後には大きな水族館の建物が視界に入ってきた。駐車場にバイクを止め、二人はヘルメットを外した。
「ほら、約束の場所だ」星太郎がゆうせいの手を取った。「緊張してるか?」
「ううん…星太郎がいてくれるから、大丈夫」
「そうか。じゃあ、行こう」
星太郎の手は暖かく、しっかりとゆうせいの手を包み込んでいた。彼らは入り口に向かって歩き出し、チケット売り場で既にオンライン予約していたチケットを受け取った。
館内に入ると、薄暗い空間に大小さまざまな水槽が浮かび上がっていた。青い光がゆらめき、無数の魚たちが優雅に泳いでいる。
「わあ…」
ゆうせいは思わず声を漏らした。目の前の巨大水槽には、色とりどりの熱帯魚の群れが渦を巻いていた。
「きれいだな」星太郎も感嘆の声を上げた。「やっぱり、実際に見るのとは違う」
二人は手を繋いだまま、最初の展示エリアをゆっくりと進んでいった。ゆうせいは興奮してあちこちを指さし、星太郎はそんな彼を見つめながら、時折優しく微笑んだ。
「星太郎、見て!あの魚、変な形してる!」
「お前の方が変な顔してるぞ」
「えー、失礼な!」
星太郎は笑いながら、ゆうせいの頭を軽く撫でた。そして突然、彼の手がゆうせいの頬に移動した。
「でも、その変な顔が可愛いんだよな」
星太郎が言うと、ゆうせいの唇にキスをした。水槽の青い光に照らされ、星太郎の顔は幻想的に浮かび上がっていた。キスは深くはなかったが、愛情に満ちていた。水族館の喧噪が遠のき、二人だけの時間が流れているようだった。
キスが終わると、ゆうせいは息を切らして星太郎を見つめた。
「びっくりした…人目もあるのに」
「誰も見てないよ」星太郎はいたずらっぽく笑った。「それに、カップルなんてここにはたくさんいる。気にすることない」
確かに周りを見渡すと、手を繋いだカップルや家族連れがたくさんいた。ゆうせいは少し安心し、再び星太郎の手を握りしめた。
彼らは館内をさらに進み、クラゲの展示コーナーにたどり着いた。暗い空間に浮かぶクラゲたちは、まるで宇宙に漂う星々のようだった。
「きれい…」ゆうせいはため息をついた。
「ああ」星太郎の声がすぐそばで聞こえた。「でも、ゆうせいの方がきれいだ」
「な、なんで急に…」
星太郎はゆうせいの背後に回り、彼を優しく抱きしめた。腕がゆうせいの腰に回り、顎が彼の肩に乗った。
「本当だよ。お前はこのクラゲ以上に、幻想的で美しい」
星太郎の唇がゆうせいの首筋に触れた。軽いキスから始まり、次第に深く、情熱的になっていった。ゆうせいは思わず目を閉じ、星太郎の温もりに身を委ねた。
「星太郎…ここ、人通りが多いよ…」
「誰もこっちを見てない」星太郎の声は低く、甘かった。「それに、お前がこんなに可愛い反応するんだから、止められない」
星太郎はゆうせいの体をゆっくりと回し、彼と向き合った。クラゲの展示の青白い光が、二人の顔を優しく照らしている。星太郎の目は深く、ゆうせいの全てを飲み込むようだった。
「ゆうせい」
「うん?」
「好きだ」
その言葉に、ゆうせいの胸が熱くなった。彼は言葉を失い、ただうなずくことしかできなかった。
星太郎は微笑み、再びゆうせいの唇を奪った。今度のキスはより深く、より切実だった。ゆうせいは星太郎のジャケットの襟をつかみ、キスに応えた。周りの世界が消え、二人だけがこの青い光の中に浮かんでいるようだった。
長いキスが終わると、二人は息を切らして額を合わせた。
「…すごいキスだった」ゆうせいは小さな声で言った。
「ああ。お前とのキスは、いつも特別だ」星太郎はゆうせいの鼻先に軽くキスをした。「でも、このままここにずっといると、本当に人目が気になり始めるぞ。先に進もう」
「うん」
手を繋ぎながらクラゲコーナーを離れる時、ゆうせいは確かに数組のカップルが微笑みながら彼らを見ているのに気づいた。しかし、もう恥ずかしさは感じなかった。星太郎と一緒にいることの幸福が、すべてを上回っていたからだ。
次のコーナーはペンギンエリアだった。新しい展示区画は広々としており、ペンギンたちが岩場やプールで楽しそうに過ごしていた。
「星太郎、見て!ペンギンがたくさん!」
ゆうせいは子供のように興奮し、ガラス越しにペンギンたちを眺めた。一羽のペンギンが近づいてきて、ゆうせいの方をじっと見つめた。
「こっちを見てる!かわいい!」
「お前の方がかわいいよ」星太郎がそっとつぶやいた。
「またそんなこと言って…」
「本当だってば」星太郎はゆうせいの腰に手を回し、彼を自分の方へ引き寄せた。「ペンギンも認めてるぞ。お前の可愛さに」
星太郎はゆうせいの耳元に唇を寄せ、軽くキスをした。それから耳たぶを優しく噛み、ゆうせいが思わず声を漏らすのを楽しんだ。
「やめて…くすぐったいよ…」
「だめだ。お前のこういう反応がたまらないんだ」
星太郎はゆうせいの耳から頬へ、そして再び唇へとキスを移していった。ペンギンたちの鳴き声が背景で聞こえ、それがあたかも二人の愛の賛歌のように感じられた。
「星太郎…みんなが見てるかも…」
「気にしないで」星太郎の声は夢のようだった。「今はお前と俺だけの世界だ」
キスはさらに深くなり、星太郎の舌がゆうせいの口の中に滑り込んだ。ゆうせいは星太郎の肩に手を回し、キスに完全に身を任せた。ペンギンエリアは確かに人通りが多い場所だったが、もはやそんなことはどうでもよかった。
長い、甘いキスが終わると、二人は少し離れて互いを見つめ合った。ゆうせいの唇は少し腫れ、目は潤んでいた。
「…星太郎とキスするの、本当に好き」ゆうせいは恥ずかしそうにつぶやいた。
「俺もだ」星太郎はゆうせいの唇をそっと撫でた。「お前の唇は、蜜のように甘い」
彼らはペンギンエリアを後にし、イルカショーを見るために屋外エリアへ向かった。昼下がりの太陽が暖かく、海風が気持ちよかった。
ショーが始まるまで少し時間があったので、二人は海辺の柵にもたれながら景色を楽しんだ。
「今日、本当に楽しい」ゆうせいは星太郎の方を見上げて言った。「星太郎とデートできて、幸せ」
「こっちこそだ」星太郎はゆうせいの手を握りしめた。「お前の笑顔を見ていると、俺まで幸せな気分になる」
星太郎はゆうせいを柵と自分の体の間に押し込み、彼を包み込むように抱きしめた。
「ゆうせい」
「なに?」
「これからもずっと、一緒にいろんなところに行こう。水族館だけじゃなく、海も山も、遠い国も。全部お前と一緒に見たい」
その言葉に、ゆうせいの目に涙が浮かんだ。
「うん…私も。ずっと星太郎と一緒にいたい」
星太郎は深く息を吸い、ゆうせいの唇にキスをした。このキスは今までで一番優しく、一番愛情に満ちていた。波の音とカモメの鳴き声が、二人のキスのBGMとなった。
キスが終わると、星太郎はゆうせいの涙を親指でそっと拭った。
「泣かせるつもりはなかったんだ」
「嬉し泣きだよ」ゆうせいは笑いながら言った。「星太郎がそんなこと言ってくれるなんて思ってなかったから」
「ばか。お前にはこれからもいっぱい甘い言葉をかけてやる。覚悟しておけ」
星太郎はもう一度軽くキスをし、ゆうせいの手を引いてイルカショーの会場へ向かった。
ショーは圧巻だった。イルカたちのジャンプやトリックに、観客は一様に歓声を上げた。ゆうせいは興奮して星太郎の腕を掴み、星太郎はそんな彼を見て微笑んだ。
ショーが終わり、二人は館内のカフェで休憩することにした。窓際の席からは海が一望でき、夕日が水面を金色に染め始めていた。
「今日は本当に最高の一日だった」ゆうせいはココアを一口飲みながら言った。
「まだ終わってないぞ」星太郎はウィンクした。「夕食の予約を入れてある。海の見えるレストランだ」
「え?そんなまで計画してたの?」
「もちろんだ。初めてのデートだ。最後まで完璧にしなければ」
ゆうせいは胸がいっぱいになった。星太郎の気遣いの細やかさに、何度も感動させられていた。
「星太郎って、本当に優しいね」
「お前にだけだよ」星太郎はテーブルの下でゆうせいの膝に手を置いた。「他のやつにはこんなに優しくしない」
ココアを飲み終え、二人は水族館を後にした。出口に向かう途中、最後の展示エリア——深海生物のコーナーを通りかかった。ここは館内でも特に暗く、青いスポットライトだけが不気味な形の生物たちを照らしていた。
「うわ…ちょっと怖い」ゆうせいは思わず星太郎に近づいた。
「怖がるな。俺がいるだろ」星太郎はゆうせいを抱き寄せた。
暗がりの中、星太郎の目だけがきらりと光っていた。彼はゆうせいを壁際に導き、周りに誰もいないのを確認すると、彼を壁と自分の体の間に押し込めた。
「星太郎…?」
「暗いところだと、お前がさらに美しく見える」星太郎の声は低く、艶めいていた。
彼の唇がゆうせいの首筋に触れた。キスは次第に激しさを増し、星太郎の歯がゆうせいの肌を軽く噛んだ。ゆうせいは思わず声を漏らし、星太郎の肩にしがみついた。
「静かにしろ」星太郎は囁くように言った。「誰かが通るかもしれない」
その言葉が却ってゆうせいを興奮させた。彼は必死に声を押し殺し、星太郎のキスに身を任せた。
星太郎の手がゆうせいのシャツの下に滑り込んだ。暖かい手のひらが彼の背中を撫で、ゆうせいは震えた。
「星太郎…ダメ…ここは…」
「大丈夫だ。誰も来ない」星太郎の唇がゆうせいの耳元に寄った。「お前のこの感じ、たまらないんだ。震えてるのが伝わるよ」
長い熱いキスの後、二人は息を切らして離れた。暗がりの中で、お互いの目だけがきらめいていた。
「…もう行こう」星太郎の声は少し嗄れていた。「このままじゃ、ここでお前を全部味わいたくなっちゃう」
ゆうせいは顔を赤らめ、うなずいた。
外に出ると、すでに夕暮れ時だった。空はオレンジ色に染まり、一日の終わりを告げていた。
「レストランまで少し距離があるから、バイクで行くぞ」
「うん」
バイクに乗り、海沿いの道を走る。夕日が海面に金色の道を作り、まるで二人のための特別な絨毯のようだった。
レストランは小さな岬の上にあり、窓からは180度の海のパノラマが広がっていた。彼らは窓際の席に通され、すぐに料理が運ばれてきた。
「今日は本当にありがとう、星太郎」ゆうせいは食事をしながら言った。「全部星太郎が計画してくれたおかげで、最高の一日になった」
「お前が喜んでくれたなら、それでいい」星太郎はゆうせいの手をテーブルの上で握った。「でも、これで終わりじゃない。これからもっとたくさんデートする。毎週末、お前をどこかへ連れて行く」
「そんな…星太郎もバイトや勉強があるのに」
「お前との時間より大事なものなんてない」星太郎の言葉には迷いがなかった。
食事が終わり、デザートのケーキが運ばれてきた。小さなチョコレートケーキで、上面に「Congratulations」と書かれていた。
「え?これ…」
「初めてのデートのお祝いだ」星太郎は照れくさそうに言った。「ちょっと恥ずかしいけどな」
「星太郎…」ゆうせいの目にまた涙が浮かんだ。
「泣くなよ。せっかくのケーキが台無しだ」星太郎は笑いながら、ゆうせいの涙を拭った。
ケーキを食べ終え、二人は最後のコーヒーを楽しんだ。外は完全に暗くなり、窓には自分たちの姿と、遠くの漁り火が映っているだけだった。
「さあ、帰ろうか」星太郎が立ち上がり、ゆうせいの手を取った。
レストランを出ると、満天の星が広がっていた。街明かりの少ない岬では、星が驚くほどはっきりと見えた。
「わあ…星がきれい」
「ああ。でも、お前の目の方がきれいだ」星太郎はゆうせいをバイクの方へ導きながら言った。
帰り道、星太郎はいつもよりゆっくりと走った。まるでこの特別な一日を少しでも長く引き延ばしたいかのように。
マンションに着くと、星太郎はゆうせいを部屋まで送り届けた。ドアの前で、二人は向き合った。
「今日は本当にありがとう」ゆうせいはもう一度感謝を伝えた。
「お礼を言うのはこっちだ。お前が一緒にいてくれて、本当に楽しかった」
星太郎はゆうせいを優しく壁に押し付け、最後のキスをした。このキスは一日の集大成のように、すべての愛情と感謝が込められていた。
長いキスが終わると、星太郎はゆうせいの額に唇を当てた。
「また明日会おう。いや、明日も明後日も、毎日会おう」
「うん。約束だよ」
星太郎はゆうせいのドアが閉まるのを確認すると、自分の部屋へと向かった。
部屋に入ったゆうせいは、ドアにもたれてしばらく立ち尽くした。唇にはまだ星太郎の感触が残り、体中に彼の温もりが染み込んでいるようだった。
スマートフォンが振動した。
「今日は最高の一日だった。お前の笑顔がずっと頭から離れない。もう寝られそうにない。おやすみ、ゆうせい。愛してる」
そのメッセージを見て、ゆうせいは涙が止まらなくなった。幸せすぎて、胸が張り裂けそうだった。
「私もだよ、星太郎。今日は私の人生で一番素敵な日だった。愛してる。おやすみ」
返信を送ると、ゆうせいはベッドに倒れ込んだ。天井を見つめながら、今日一日の出来事を思い返した。キスのたびに、星太郎の優しさのたびに、彼の心は満たされていった。
初めてのデートは終わったが、これは始まりに過ぎない。これからもっとたくさんの日々が、二人を待っている。ゆうせいはそう信じて、ゆっくりと目を閉じた。
窓の外では、星々が今日の二人の愛を静かに見守っていた。